杏林製薬 検査機器ベンチャーのジェイタスを買収 感染症診断に参入 適切な薬剤選択促す
公開日時 2017/06/26 03:50
キョーリン製薬ホールディングスは6月23日、子会社の杏林製薬が、感染症の原因菌を同定できる小型の超高速遺伝子定量装置を開発したベンチャーのジェイタス(大阪市東成区)の全株式を取得すると発表した。合意の下で行うもので取得価額は非開示。7月3日に杏林製薬は子会社にする予定。杏林は感染症領域を重点に医療用薬の開発、製造販売を行っているが、今後、国際的な薬剤耐性対策として適切な薬剤選択と適正使用が求められることから、それを促す診断領域を事業に取り込むことでニーズに応えたい考え。
ジェイタスは、PCR装置を独自技術で改良し、5~6分程度で細菌・ウイルスを同定でき、それを臨床現場でも実施できる小型の超高速遺伝子定量装置「GeneSoC」を開発した。キョーリンは、国際的な薬剤耐性対策として抗菌薬等の適切な選択、適正使用が迫られる中では、同検査装置が活用できると判断。ジェイタスを買収し、同検査装置と必要な体外診断薬を販売することにした。体外診断薬は今後開発する。
ジェイタスは、国立研究開発法人の産業技術総合研究所が開発した技術を産業活用することを目的に2015年に設立された「産総研発ベンチャー」。