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GSK・フォシェ社長 「古典的なMRの重要性は段々低くなる」 新たな情報活動を検討

公開日時 2017/03/01 03:51
グラクソ・スミスクライン(GSK)のフィリップ・フォシェ社長は2月28日、東京都内で記者会見し、地域医療提供体制の見直しや医療ICT、ビッグデータの利活用が進むことで「(売上目標を主眼に活動する)古典的なMRの重要性は段々低くなっていく」との認識を示し、GSK全体による新たな情報活動を検討していることを明らかにした。
 
フォシェ社長は、地域医療提供体制の見直しや医療ICT、ビッグデータの利活用の推進によるマーケティングや営業への影響について「様々なオプションを申し上げるのは時期尚早」としながらも、かかりつけ医、かかりつけ薬剤師、医療施設の法人本部、保険者など地域に新たなステークホルダーが生まれて対応が迫られていることや、ビッグデータがより良いコミュニケーションを生む可能性があると指摘。その上で「古典的なMRの重要性は段々少なくなっていき、新たなタイプの活動が必要になってくる」と述べた。
 
例として▽より専門性の高い領域での情報活動▽保険者など地域の特定のステークホルダーに対する情報活動▽営業から切り離されたメディカル領域での情報活動--を挙げた。同席した高橋希人専務取締役は、医療ICTの推進を受けた情報活動については日本法人全体で対応することを検討していると補足し、PMS活動のあり方について検討を進めていることを明かした。医療ICT、ビッグデータの利活用は研究開発部門で先行しているとしているが、営業でも「関心が高まっている」とし、マルチチャネルを用いた顧客ニーズの収集など「マーケティング、コマーシャルへも応用をしていきたいと考えている」と話した。
 
フォシェ社長は、新たな情報活動により社内に新たなキャリアパスが生まれる可能性と共に、企業間の差別化にもなりうると指摘。「セールスを切り離すことができれば、新たなステークホルダーとよい対話ができるといわれるが、GSKのMRは売上目標から切り離されて活動しており、従来型のMRとは異なる。そこがGSKの競争的なアドバンテージになると思う」と述べた。
 
アスペンとの関係は当面継続 薬価制度抜本改革は判断材料
 
グローバル本社が株式を売却したアスペン社との日本でのオーソライズド・ジェネリック(AG)を通じた協業について、フォシェ社長は「アスペンとの関係は解消していない。日本法人へ出資する必要はなくなったが、協力は続く」と述べた。
 
アスペンはGSK製品のAGとしては3製品を販売している。フォシェ社長は「これはテストとして続けており、うまくいっているのかいないのか結論を出すのは時期尚早と思っている」と説明。理由として、長期収載品や後発医薬品に対する薬価算定に対する議論が進むに従い「こうした事業の魅力が下がる可能性もある」と述べ、薬価制度抜本改革の推移を踏まえる必要性を指摘した。
 
なお同日、GSK、ヴィーブヘルスケア、ワクチンの2016年売上は2921億円、1.7%減だったと発表した(コンシューマーヘルスケア除く)。主に喘息などの治療薬アドエアやレルベアが伸長したが、海外の製造委託先での製品供給停止や薬価改定が影響したとしている。
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