英・メイ首相 英国はイノベーションの最適地:EU離脱演説
公開日時 2017/01/24 03:50
英国のテリーザ・メイ首相は1月17日、EU離脱に関し、英国政府の今後の方針およびスタンスを説明した。EUからの離脱交渉における12の優先事項を上げたが、10番目で科学技術について言及。英国を「科学とイノベーションの最適地」と呼び、英国のEU離脱により、国内外における英国での競争力低下や科学者のEU諸国への流出などの懸念払拭を念頭に置いた考えを披歴した。
メイ首相は、「グローバルな英国は未来を展望する国でなければならない。これは、英国が科学とイノベーションにとって世界における最適地のひとつであることを意味する。国家として、我々の強大な力の1つは、いくつかの世界最高水準の大学が支える広範かつ深みを持つ学術界および科学界の存在である。また、我々は、最先端研究とイノベーションをリードしかつ支えてきた歴史を誇っている」と英国の持つ科学技術への自負を示した。
その上で、「我々は科学、研究および技術分野への取り組みについて欧州のパートナーと協力協定を結ぶことを歓迎する。宇宙開発からクリーンエネルギーならびに医療技術に至るまで、英国は、我々が住んでいる地球をよりよく理解し、よりよくする目的に向かって集団として努力し続ける第一線に留まる決意である」と話した。
◎英国製薬工業協会「医薬品産業のリーダーとしての地位を確保」
英国製薬工業協会(ABPI)は、同日、May首相のEU離脱についての今後の方針を受けて、「世界の医薬品産業のリーダーとしての地位を確保しつつ、英国のEU離脱を成功させるために政府と協力し続けたい」との意向を明らかにした。
ABPIは、「英国の医薬品産業に対して将来に自信を与える」と歓迎。特に、「科学とイノベーションの最適地となる」施策であることを歓迎した。その上で、「我々がこの分野においてリーダーシップを持ち続けることが真にグローバルな英国を創造するためには極めて重要である」とコメントした。
May首相は、今後、2年間のEUとの交渉期間後に、英国とEUの新たな関係が始まると述べたが、ABPIは、この期間内に「EUの医薬品諸規制との協調および調整を確実かつ継続的に行っていきたい。このことが、英国の患者にとって可能な最善の結果を生むことになる」と話した。