新薬19製品が承認 経口C肝薬ヴィキラックス配合錠、多発性硬化症用薬コパキソン皮下注など

公開日時 2015/09/29 03:52
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厚労省は9月28日、新薬19製品27品目を承認した。この中には、インターフェロンを使用せずにジェノタイプ1型のC型肝炎治療を行うヴィキラックス配合錠(申請会社:アッヴィ合同会社)や、国内2剤目の週1回投与のDPP-4阻害薬マリゼブ錠(MSD)、世界で多発性硬化症治療の第一選択薬として使用されているコパキソン皮下注(武田薬品)、COPDに用いる国内3剤目のLAMA/LABA配合剤であるスピオルトレスピマット(NBI)――などがある。11~12月に予定される薬価収載を経て、発売となる。

承認された医薬品は次のとおり(カッコ内は一般名と申請企業名)

ゼビアックスローション2%(オゼノキサシン、マルホ):「表在性皮膚感染症、ざ瘡(化膿性炎症を伴うもの)」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。適応菌種はオゼノキサシンに感性のブドウ球菌属、アクネ菌。再審査期間8年。

キノロン系抗菌薬。同剤の対象患者数は推定約250万人。類薬には▽アクアチムローション1%等(一般名:ナジフロキサシン)▽ダラシンTゲル1%等(クリンダマイシンリン酸エステル)▽ベピオゲル2.5%(過酸化ベンゾイル)▽デュアック配合ゲル(1%クリンダマイシンリン酸エステル/3%過酸化ベンゾイル配合剤)▽ディフェリンゲル0.1%(アダパレン)――があり、同剤は治療選択肢のひとつとなる。

スピオルトレスピマット28吸入、同レスピマット60吸入(チオトロピウム臭化物水和物/オロダテロール塩酸塩、日本ベーリンガーインゲルハイム):「慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎、肺気腫)の気道閉塞性障害に基づく諸症状の緩解(長時間作用性吸入抗コリン薬及び長時間作用性吸入β2刺激薬の併用が必要な場合)」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品・新医療用配合剤。再審査期間8年。

チオトロピウムは長時間作用性抗コリン薬(LAMA)、オロダテロールは長時間作用性β2刺激薬(LABA)。同剤は、▽ウルティブロ吸入カプセル▽アノーロエリプタ7吸入用等――に次ぐ国内3番手のLAMA/LABA配合剤。同剤は通常、1回2吸入を1日1回吸入投与する。

カプレルサ錠100mg(バンデタニブ、アストラゼネカ):「根治切除不能な甲状腺髄様がん」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。希少疾病用医薬品。再審査期間は10年。全例調査を行う。

同剤はVEGFR2、EGFR、RETなど複数のキナーゼを阻害することで、腫瘍血管新生や腫瘍細胞の増殖を阻害し、腫瘍の増殖を抑制すると考えられている。甲状腺がん患者は推定2万9000人で、このうち髄様がんは1.3%と報告されている。

ムルプレタ錠3mg(ルストロンボパグ、塩野義製薬):「待機的な観血的手技を予定している慢性肝疾患患者における血小板減少症の改善」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間8年。

経口投与可能な低分子のトロンボポエチン受容体作動薬。同受容体に作用することで、造血幹細胞・巨核球系前駆細胞から血小板を産生する巨核球への増殖・分化を促進し、その結果として血小板数を増加させる。同剤の投与対象患者数は年間約1万6300人とされる。

日本で同様の効能・効果を持つ医薬品は承認されていないが、同じ機序の経口薬として、エルトロンボパグ オラミン(一般名、製品名:レボレード錠)が慢性特発性血小板減少性紫斑病の効能・効果で承認されている。

ベンテイビス吸入液10μg(イロプロスト、バイエル薬品):「肺動脈性高血圧症」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間8年。未承認薬・適応外薬検討会議開発要請品目。

プロスタグランジンI2(PGI2)誘導体。PGI2と同様に血管拡張作用及び血小板凝集抑制作用を示すことで病態を改善する。肺動脈性肺高血圧症患者は2300人程度。

トラクリア小児用分散錠32mg(ボセンタン水和物、アクテリオン ファーマシューティカルズ ジャパン):「肺動脈性高血圧症」を効能・効果とする新効能・新用量・剤形追加に係る医薬品。再審査期間は6年と1日。希少疾病用医薬品。未承認薬・適応外薬検討会議開発要請品目。

エンドセリン受容体拮抗薬。血管収縮作用を有するペプチドホルモンであるエンドセリンの受容体を阻害して、肺血管拡張作用などを示す。小児の肺動脈性肺高血圧症患者は300人程度。なお、肺動脈性高血圧症を効能・効果とするエンドセリン受容体拮抗薬はアンブリセンタン(一般名、製品名:ヴォリブリス錠)、マシテンタン(同オプスミット錠)があるが、いずれも小児適応を持ってない。

イフェクサーSRカプセル37.5mg、同SRカプセル75mg(ベンラファキシン塩酸塩、ファイザー):「うつ病、うつ状態」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間8年。

セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(以下、SNRI)。類薬のSNRIには、デュロキセチン塩酸塩(一般名、製品名:サインバルタ)とミルナシプラン塩酸塩(同トレドミン)があり、同剤は国内3番手となる。うつ病の患者数は08年に104.1万人。

コパキソン皮下注20mgシリンジ(グラチラマー酢酸塩、武田薬品):「多発性硬化症の再発予防」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間10年。希少疾病用医薬品。未承認薬・適応外薬検討会議開発要請品目。

抗原提示細胞の表面に存在する主要組織適合遺伝子複合体分子に結合し、抗原特異的なT細胞の活性化を阻害するなどして多発性硬化症(以下、MS)に対する作用を示す。1日1回皮下投与する。同剤は世界各国で約20年にわたって使用され、MSの第一選択薬となっている。

ピートルチュアブル錠250mg、同チュアブル錠500mg(スクロオキシ水酸化鉄、キッセイ薬品):「透析中の慢性腎臓病患者における高リン血症の改善」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間8年。

同剤は、消化管内で食事由来のリン酸と同剤に含まれる鉄との結合作用によって難溶性の沈澱を形成することで、リンの吸収を抑制するリン吸着薬。特に既存薬に認められる高カルシウム血症や重篤な胃腸障害など安全性上の懸念が少ないことが特徴。

ザガーロカプセル0.1mg、同カプセル0.5mg(デュタステリド、グラクソ・スミスクライン):「男性の男性型脱毛症における発毛及び育毛、脱毛(抜け毛)の進行予防」を効能・効果とする新効能・新用量・その他・剤形追加に係る医薬品。再審査期間4年。

GSKは、有効成分デュタステリドで前立腺肥大症を効能・効果とするアボルブカプセル0.5mgの承認を取得しているが、両剤の見分けがつくよう、ザガーロはカプセル剤皮の色を変更している。日本人成人男性の男性型脱毛症の発症頻度は約30%、約1260万人いると推定されている。

マリゼブ錠12.5mg、同錠25mg(オマリグリプチン、MSD):「2型糖尿病」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間8年。

週1回投与のDPP-4阻害薬。既存のDPP-4阻害薬は連日投与製剤が7成分、週1回投与製剤が1成分ある。このためマリゼブ錠は9成分目のDPP-4阻害薬であり、週1回製剤としてはトレラグリプチン(一般名、製品名:ザファテック錠)に次ぐ2番手となる。

エクメット配合錠LD、同配合錠HD(ビルダグリプチン/メトホルミン塩酸塩、ノバルティスファーマ):「2型糖尿病(ただし、ビルダグリプチン及びメトホルミン塩酸塩の併用による治療が適切と判断される場合に限る)」を効能・効果とする新医療用配合剤。再審査期間4年。

DPP-4阻害薬とビグアナイド(BG)系薬による国内初の合剤。同配合錠の有効成分の含有量は、DPP-4阻害薬ビルダグリプチンが「LD」「HD」とも50mg、BG系薬メトホルミンが「LD」に250mg、「HD」に500mgとなる。同配合錠は1回1錠を1日2回(朝、夕)経口投与して用いる。なお、ビルダグリプチンは製品名エクア錠50mgとして同社から発売中。メトホルミンは製品名メトグルコ錠250mg、同錠500mgだが、今年6月にジェネリックが参入した。

リュープリンPRO注射用キット22.5mg(リュープロレリン酢酸塩、武田薬品):「前立腺がん、閉経前乳がん」を効能・効果とする新剤型医薬品。再審査期間4年。

24週に1回投与する製剤。なお、既承認のリュープロレリン含有製剤は4週毎、12週毎に投与する。同剤は既承認薬と比較して投与間隔が長いため、患者の利便性の向上が期待されている。

ヨンデリス点滴静注用0.25mg、同点滴静注用1mg(トラベクテジン、大鵬薬品):「悪性軟部腫瘍」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。希少疾病用医薬品。再審査期間10年。全例調査を行う。

ホヤの一種から単離された化合物。DNAに結合することでヌクレオチド除去修復機構を阻害し、細胞死及び細胞周期停止を誘発することなどにより腫瘍の増殖を抑制すると考えられている。悪性軟部腫瘍の国内患者数は約5000~9200人。

ロコアテープ(エスフルルビプロフェン/ハッカ油、大正製薬):「変形性関節症における鎮痛・消炎」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品・新医療用配合剤。再審査期間8年。

エスフルルビプロフェンは非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)であるフルルビプロフェンの活性本体。ハッカ油はエスフルルビプロフェンの溶解補助剤で有効性を期待して配合したものではないが、添加量が薬用量に近似するため有効成分として扱われている。同剤は1日1 回、患部に貼付して使用するが、同時に2 枚を超えて貼付しないようにする。

ミティキュアダニ舌下錠3300JAU、同ダニ舌下錠10000JAU(-、鳥居薬品):「ダニ抗原によるアレルギー性鼻炎に対する減感作療法」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間8年。

舌下投与による減感作療法に関する十分な知識・経験を持つ医師によってのみ処方・使用するなどの承認条件がついた。

ヤケヒョウヒダニ及びコナヒョウヒダニからそれぞれ抽出・調製した抽出エキスを等しい抗原活性比で含有する錠剤。同社は皮下注製剤(治療用アレルゲンエキス皮下注「トリイ」)を持っているが、アナフィラキシーショックなどの重篤な副作用が発現する可能性があること、注射による疼痛を伴うことなどから、舌下投与の製剤を開発した。

ヴィキラックス配合錠(オムビタスビル水和物/パリタプレビル水和物/リトナビル、アッヴィ合同会社):「セログループ1(ジェノタイプ1)のC型慢性肝炎又はC型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品・新医療用配合剤。再審査期間8年。

優先審査された。1日1回2錠を経口投与し、12週間続ける。ジェノタイプ1のC型肝炎に対してインターフェロンを必要としない経口薬による薬物療法として、▽ダクルインザ錠60mgとスンベプラカプセル100mgの併用▽ハーボニー配合錠――に次ぐ国内3番手の薬剤となる。

同剤の有効成分のオムビタスビル及びパリタプレビルは、C型肝炎ウイルスの複製に関わるNS5A及びNS3/4Aプロテアーゼをそれぞれ阻害することでウイルスの増殖を抑える。これら2成分が新有効成分。リトナビルはパリタプレビルの代謝酵素を阻害して暴露量を高める働きをする。

オクトレオスキャン静注用セット(ペンテトレオチド塩化インジウム(111In液)、富士フイルムRIファーマ):「神経内分泌腫瘍の診断におけるソマトスタチン受容体シンチグラフィ」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間8年。未承認薬・適応外薬検討会議開発要請品目。

希少がんである神経内分泌腫瘍(NET)に過剰発現しているソマトスタチン受容体に結合し、NET病巣を画像化する。それにより薬剤によるソマトスタチンアナログ治療の適応患者が選択できる。日本には同様の薬剤はないが、海外では標準的診断法。

アレルゲンスクラッチエキス陽性対照液「トリイ」ヒスタミン二塩酸塩(ヒスタミン二塩酸塩、日本たばこ):「アレルゲンスクラッチエキスによる皮膚反応の陽性対照」を効能・効果とする新効能・新用量・剤形追加に係る医薬品。再審査期間4年。未承認薬・適応外薬検討会議開発要請品目。

アレルゲンテストが正確に行われたかを確認する薬剤。同剤は、アレルゲンにより産生され、皮膚を赤くするヒスタミンを含有しており、患者の皮膚に滴下することで、アレルゲンテストと同様に赤くなるかどうかを見る。もともと医師が独自に調製し用いていた。

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