ファイザー 中等症から重症の潰瘍性大腸炎治療薬・ベルスピティ錠を発売 1日1回経口投与
公開日時 2025/09/16 04:50
ファイザーは9月12日、中等症から重症の潰瘍性大腸炎(UC)を対象疾患とするS1P受容体調節薬・ベルスピティ錠2mg(一般名:エトラシモド L-アルギニン)を発売した。1日1回の経口投与製剤で、用量調節も不要。同社は、「既存治療で効果が十分に得られない中等症から重症の潰瘍性大腸炎患者さんに高い利便性を提供し、アンメットメディカルニーズに貢献する可能性がある」としている。
同社の宮原京子・取締役執行役員スペシャルティケア部門長は、UCに対してJAK阻害薬・ゼルヤンツ錠を販売していることに触れながら、「ベルスピティを通じて、さらにこの領域でより広く患者さんと医療従事者の皆様に貢献するため、透明性の高い情報提供により、適正使用を推進していく」とコメントしている。
【9月12日発売】
▽ベルスピティ錠2mg(エトラシモド L-アルギニン、ファイザー)
薬効分類239 その他の消化器官用薬(内用薬)
効能・効果:中等症から重症の潰瘍性大腸炎の治療(既存治療で効果不十分な場合に限る)
薬価:2mg1錠 4792.80円(1日薬価:4792.80円)
市場予測(ピーク時5年後):投与患者数8.3千人、販売金額143億円
経口スフィンゴシン1-リン酸(S1P)受容体調節薬。リンパ球上のS1P受容体に作用することで、末梢リンパ組織内にリンパ球が保持され、循環血中のリンパ球数が減少することにより、自己免疫疾患である潰瘍性大腸炎(UC)に対し治療効果を示すことが期待されている。
ベルスピティは、S1P受容体サブタイプ1、4、5に対して選択的に活性を示すよう設計されている。用法・用量は「通常、成人には2mgを1日1回経口投与する」。
国内では、経口S1P受容体調節薬として、ブリストル・マイヤーズ スクイブのゼポジアが24年12月に同じ「中等症から重症の潰瘍性大腸炎の治療(既存治療で効果不十分な場合に限る)」の効能・効果で承認されている。