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IQVIA 23年世界医薬品市場 売上1位はヒュミラ 伸び率1位はマンジャロ 100億ドル以上に15製品

公開日時 2024/07/29 04:50
IQVIAは2023年の世界医薬品売上データをまとめた。製品売上1位は自己免疫疾患治療薬・ヒュミラで、前年比7.0%増の373億5900万ドルだった。米国で23年1月にバイオシミラー(BS)が発売されたにもかかわらず、グローバルで成長を維持した格好だ。2位は糖尿病治療薬・オゼンピックで72.7%増の365億8300万ドルと大きく伸長。前年売上との単純比較では約154億ドルの増収となった。売上上位20製品のうち最も伸び率が大きかったのは糖尿病治療薬・マンジャロで377.7%増の131億5700万ドルだった。オゼンピックやマンジャロはダイエット目的での使用も含まれている可能性がある。

IQVIAが今回まとめた製品売上データは、世界で異なる名前や販売会社で販売されている製品をIQVIAで集約化したもの。▽現地ブランド名、▽営業販売会社、▽有効成分――の3つの基準のうち2つの一致により製品名を集約化した。売上は工場出荷価格ベースで、処方薬と特定のOTCデータが含まれる。新型コロナワクチンの売上は含まない。売上は変動為替レートを用いて米ドルベースで算出。成長率は為替影響を除外したものとなる。

ヒュミラ、オゼンピック、マンジャロを含む15製品で、23年売上が100億ドル以上となった。15製品は売上上位から、1位はヒュミラ(23年売上373億5900万ドル、前年比7.0%増、前年1位)、2位はオゼンピック(365億8300万ドル、72.7%増、4位)、3位はキイトルーダ(292億1800万ドル、21.9%増、3位)、4位はエリキュース(272億4300万ドル、13.2%増、2位)、5位はステラーラ(206億4900万ドル、15.2%増、5位)、6位はジャディアンス(188億6200万ドル、35.3%増、7位)、7位はトルリシティ(180億4400万ドル、4.9%増、6位)、8位はビクタルビ(157億1900万ドル、16.1%増、8位)、9位はデュピクセント(145億5500万ドル、44.2%増、10位)、10位はマンジャロ(131億5700万ドル、377.7%増、20位圏外)、11位はザレルト/イグザレルト(130億6300万ドル、1.1%増、9位)、12位はフォシーガ(117億2200万ドル、46.3%増、14位)、13位はスキリージ(112億4800万ドル、99.7%増、20位圏外)、14位はオプジーボ(112億2200万ドル、13.0%増、11位)、15位はエンブレル(103億9500万ドル、5.6%増、12位)――だった。

◎売上上位10製品 グローバルは糖尿病薬、日本は抗がん剤が多く

23年の売上上位製品について、日本とグローバルでそのトレンドの違いも見て取れた。

日本では、23年の売上上位10製品のうち5製品が抗がん剤(オプジーボ、キイトルーダ、イミフィンジ、タグリッソ、テセントリク)で、糖尿病薬はフォシーガの1製品のみだった。新型コロナ治療薬・ラゲブリオもトップ10入りした(記事はこちら

これに対しグローバルの売上上位10製品のうち4製品は糖尿病薬(オゼンピック、ジャディアンス、トルリシティ、マンジャロ)で、上位20製品に広げると、さらにフォシーガ、ランタス、ジャディアンスを加えた計7製品となった。一方、抗がん剤は上位10製品の中ではキイトルーダのみで、上位20製品に広げてもオプジーボが加わるのみだった。新型コロナ治療薬は全て20位圏外だった。日本とグローバルで、製薬企業の成長を支える主要製品が若干違うといえそうだ。

なお、薬効別売上を見ても、日本は抗がん剤の売上規模が突出して大きく、1位の抗がん剤市場が1兆9368億円、2位の糖尿病治療薬市場が7146億円と、1兆円以上の差がついている。これに対しグローバルは、1位の抗がん剤市場は2235億ドル、2位の糖尿病治療薬市場は1778億ドル、3位の免疫系用剤は1701億ドルとなっており、2位、3位の売上規模も大きくなっている。

◎企業別売上 1位はアッヴィの858億ドル 3年ぶりに首位奪還

23年の世界医薬品売上データから、企業別の売上ランキングを見てみる。1位はアッヴィで、前年比17.1%増の858億9000万ドルだった。最主力品のヒュミラが米国でのBS参入があったものの成長を維持し、スキリージが倍増したことで、20年以来3年ぶりの首位奪還につながった。前年は2位だった。2位は前年1位のジョンソン・エンド・ジョンソンで8.9%増の772億4100万ドルだった。ステラーラが15.2%増の206億4900万ドルを売り上げた。

◎ノボ ノルディスク38%増収 イーライリリー29%増収 糖尿病薬がけん引

3位のノボ ノルディスクや4位のイーライリリーは、糖尿病薬がグローバルで急拡大したことに伴い、企業売上も大幅に増加した。ノボ ノルディスクは38.0%増の690億2900万ドルだった。この成長率は売上上位20社のうちで最も高い。企業売上の5割強をオゼンピックが占め、順位は前年の5位から2つ順位を上げた。

イーライリリーは29.2%増の592億6200万ドルで、前年9位から大きく順位を上げた。トルリシティが堅調に伸び、マンジャロが約4倍に伸びたことが企業業績をけん引した。

5位以下は、5位はブリストル マイヤーズ スクイブ(売上555億8700万ドル、前年比9.7%増、前年4位)、6位は米メルク(同528億5300万ドル、9.0%増、6位)、7位はサノフィ(同525億9500万ドル、8.7%増、7位)、8位はロシュ(同516億600万ドル、10.4%増、8位)、9位はアストラゼネカ(同504億7400万ドル、19.2%増、10位)、10位はノバルティス(同474億5000万ドル、9.3%増)――だった。

◎内資系売上トップは武田薬品 全体16位

内資系企業での売上トップは武田薬品で、売上は1.7%減の283億7100万ドルだった。企業売上ランクは前年と同じく16位。なお、企業売上上位20社の業績は増収18社、減収2社で、減収企業は武田薬品とヴィアトリスとなる。
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