エグザクトサイエンス オンコタイプDX乳がん再発スコアプログラムが保険収載 術後薬物決定の一助に
公開日時 2023/09/07 04:49
エグザクトサイエンスは9月1日付で「オンコタイプDX乳がん再発スコアプログラム」が保険収載されたと発表した。一定条件を満たす乳がん患者の遺伝子を調べ、独自のアルゴリズムにより再発スコアを算出。術後の再発予測と術後薬物療法を検討する際の意思決定の一助となる情報を提供する。すでに日米欧の主要な乳癌治療ガイドラインに取り入れられている。
◎独自のアルゴリズムにより再発スコア結果を算出
「オンコタイプDX乳がん再発スコアプログラム」は、米国Genomic Health社のクラウド上に存在する「解析プログラム」と、そこにアクセスする「日本ポータル」から構成される。ホルモン受容体陽性、HER2陰性で、リンパ節転移が無いか、あっても3個以内の早期浸潤性乳がん患者が対象となる。乳がん患者のがん組織に含まれる21個の遺伝子を調べ、各遺伝子の発現状況から独自のアルゴリズムにより0 ~100までの数字で表される再発スコア結果を算出する。再発スコア結果は、術後にどの程度再発しやすいかについての予測とあわせて、術後薬物療法を検討する際に、「ホルモン療法」に「化学療法」を追加するかどうかの意思決定の助けになる情報を提供する。
なお、欧米を中心に100万人以上がこの検査の恩恵を受けている。日本乳癌学会、欧州腫瘍学会(ESMO)、ザンクトガレン国際乳癌会議、米国臨床腫瘍学会(ASCO)、米国国立包括癌ネットワーク(NCCN)などの主要な乳癌治療ガイドラインに取り入れられている。
プログラムは、2021年11月に中医協で保険適用が承認され、12月から保険適用が予定されていた。しかし、米国本社の解析プログラムに日本からアクセスするためのポータルサイトが未完成との報告を受け、保険適用が留保されていた経緯がある。再発防止に向けて、今年7月に開かれた中医協では、保険適用時点においてもプログラムが稼働できることを確認するため、エグザクトサイエンス社が自己宣言書を提出したことなどが報告されていた。