医療界における改革といえば、診療報酬改定然り、医療提供体制の見直し然りで、どちらかというと“待ちの姿勢”や“後追い”で対応することができた。それに対して医師の働き方改革は、個々の医療施設が自発的に業務の見直しやタスクシフト／シェアなどに取り組んでいかないと病院経営の維持が困難となり、また地域医療の崩壊を招くといった点で異質であり、医療界に本質的な変革を突き付けているといっても過言ではない。その変革を進めていく上で必須なのがICTの活用、さらにいうとＤＸの推進である。しかし、医療界全体を俯瞰すると事、ここに至ってもＤＸ化への本気度が足りないように映る。働き方改革＝医療人の意識改革と捉え直したほうが良さそうだ。（富井和司）働き方改革は医療崩壊を招く...