富田薬品は4月5日、国病機構「九州エリア」の入札談合で公取委から排除措置命令および課徴金納付命令を受けたことを踏まえ、「独占禁止法違反の再発防止及びコンプライアンス強化の取組み」について公表した。コンプライアンス体制の強化策として、コンプライアンス統括担当の新設、経営幹部や営業員へのｅラーニングを取り入れた研修会の実施、再発防止策の提言（富田薬品の行動指針）の作成および従業員への通知などに取り組んでいるとした。

国病機構「九州エリア」の入札談合をめぐり同社は、排除措置命令および1億2445万円の課徴金納付命令を受けた。ただ、今回は調査協力減算制度が初めて適用され、同社に対しては事件の真相解明に資する程度に応じた減算率25％が適応された。

この日公表した「独占禁止法違反の再発防止及びコンプライアンス強化の取組み」では、これまで執行役員への委嘱事項としてきたものを、更なる体制強化を目的として「コンプライアンス統括担当」を新設。これによりコンプライアンスの推進および管理監督機能の強化を図った。また、コンプライアンス研修の充実を図るため、独占禁止法や医薬品卸売業公正競争規約をはじめとする研修を定期的に開催し、コンプライアンスの徹底を図り、さらに経営幹部や営業員へのｅラーニングも取り入れた研修会を実施している。

再発防止策の提言（富田薬品の行動指針）の作成および従業員への通知も行った。行動指針では。①風通しが良く、コミュニケーションが取りやすい職場環境の醸成、②経営者自身のコンプライアンスに対する意識改革、③定期的なコンプライアンス研修を継続的に実施、コンプライアンス推進責任者を選定し、各種法令に関する知識を習得し遵法意識を高める、④同業他社との接触ルール遵守の徹底、⑤内部通報制度を設け、通報者を保護した上で、コンプライアンス通報窓口を設置、⑥コンプライアンスの取り組みが全役員、従業員に周知され、理解されているか又は事業活動を通じて遵守しているかをモニタリング・監査を行う―とした。