帝人 産学共同で開発の「心・血管修復パッチ」を申請 産官学連携プロジェクトで創出
公開日時 2023/03/28 04:50
帝人は3月27日、大阪医科薬科大、福井経編興業と共同開発した「心・血管修復パッチ OFT-G1(開発コード)」を承認申請したと発表した。申請は帝人グループ会社の帝人メディカルテクノロジーが行っており、同社が製造販売承認申請と販売を担う。23年度中の上市を目指すとしている。
「心・血管修復パッチ OFT-G1」は、産官学連携のプロジェクトから創出された。大阪医大の心臓血管手術についての知見と、福井経編興業がこれまで衣類や繊維などで培った編みの技術(経編技術)、帝人のポリマー解析技術を組み合わせて創出された医療材料。帝人メディカルテクノロジーは、生体内で分解吸収される手術材料の製造販売の経験を有しており、同社の販路と医療材料の品質管理の技術を活用することが、着実な上市につながると判断し、プロジェクトに参画した。
OFT-G1は、吸収性の糸と非吸収性の糸によるニット状の組織に、吸収性の架橋ゼラチン膜によるコーティングを施したシート。これまでのパッチでは、体内での長期経過中に異物反応や石灰化によって材料が劣化し、再手術が必要になることが課題として指摘されていたが、OFT-G1は異物反応や石灰化などの問題が発生しにくいという特徴があり、手術材料に起因する再手術リスクの低減が期待されるという。
なお、OFT-G1は2018年4月に厚労省より先駆け審査指定制度の対象品目に指定されている。