“あったらいいな”で開発した「嗅ぎ注射器」
医師・医学博士 国立病院機構新潟病院 臨床研究部医療機器イノベーション研究室室長 石北 直之 さん
公開日時 2023/02/01 00:00
宇宙×新デバイスで医療の未来を切り拓くけいれんで寝たきりになってしまう患者さんを救いたい──。臨床上での課題を解決するため、2011年に手のひらサイズの超小型簡易吸入麻酔器「嗅ぎ注射器」を発明した医師の石北直之さん。さらに製品化を進めるべく「嗅ぎ注射器」から空気圧駆動の人工呼吸器を開発し、活動のフィールドを宇宙医学にまで広げた。2017年にはNASA(アメリカ航空宇宙局)の協力を得て国際宇宙ステーション内で、3Dプリントモデルの電送実験および無重力化動作実験に成功している。こうした功績によって国内外から石北さんの研究やプロジェクトに注目が集まっているが、悲願ともいえる「嗅ぎ注射器」の薬事承認までには至っていない。それでも石北さんは簡易吸入麻酔器の安全性や社会的価値を訴え続け、その...