医師・個人事業主（サージラボ）中村浩己変化に引きずられる側に回るのか、変化をリードする側に回るのか、その差は大きい。製薬業界の未来を睨み、私が重要視し注力してきたことを述べる３回シリーズの最終回は、デジタル・トランスフォーメーション（ＤＸ）についての考察である。コロナ禍によって、あらゆるところでデジタル化が一気に進んだ。ＤＸも半ばバズワード化している。正直に言うと、私は、ＤＸのように、手あかのついた言葉はあまり好きではない。バズワードを口にするだけで、「やっている感」で満足してしまう危険性を孕んでいるからだ。ＤＸが目的化するのも問題だ。ＤＸはあくまで手段であって目的ではない。なぜＤＸが必要なのか、何のためにどんな技術を取り入れる必要があるのか。本質的な議論を抜きに、一時の流行に乗るようなやり...