アメリカのエピデミック:薬物依存
公開日時 2022/08/01 00:00
「薬物依存とこれに起因する死」を米国に特有のエピデミックと指摘し、国民の安全と健康のために国を挙げて本格的な対策に取り組むべきであるとの国家指針を打ち出したのはオバマ政権(2011年)であった。だが、薬物の過剰摂取による死亡は2010年代を通じて急増し、10年後の今日も、収束の見通しがたたないでいる。交通事故死を凌ぐ薬物事故死CDCの統計によれば、2019年の米国における薬物事故による死亡者数は9万7千人で、同年の交通事故死者数4万人、銃火器による事故死者数4万5千人を合わせた数値よりも多かった。事故死は米国での死亡原因(2019年)としては心不全、癌、COVID19に続く4番目であるが、死亡件数10万件中84.5件の事故死のうち薬物事故死は27.9件を占めている。死亡原因との関連で過剰摂取...