薬剤がもたらす「価値」概念の進化
公開日時 2020/12/29 00:00
A.T.カーニー株式会社シニアパートナー後藤良平従来、医薬品の薬価算定は、当該薬剤の著効率や5年生存率などの臨床観点から行われて来た。しかし、近年においてはHTA(医療技術評価)に基づく薬価償還ルールの運用開始等、経済性(費用対効果)の観点も活用が進みつつある。医療のイノベーションと医療財源の維持・有効活用を実現する為の、新たな価値観が根付きつつある。一方、欧米における薬価制度の進化を見ると、薬剤の価値はより幅広い観点へと拡張されつつあり、同様の流れは日本における制度変化と製薬会社の取るべきアクションの方向性にも大きな影響を与えると考えられる。A.T.カーニーは欧米を中心とした薬剤価値評価のフレームワークを比較分析し、以下4つの価値類型を定義した(図表①)。日本の薬価制度改革においては、HT...