編集長沼田佳之医薬品開発も革新的バイオ医薬などモダリティーの多様化に製薬企業が対応する時代を迎えた。2000年初頭から抗体医薬や生物学的製剤の開発競争が始まり、もはや核酸医薬などゲノム領域での創薬技術の獲得でしのぎを削る時代に入った。ＡＩ創薬などテクノロジーの進歩も活発化している。そこで注目されるべきはＡＩや工学系技術との融合、ビッグデータの利活用による「医薬×医療ソリューション時代」の幕開けだ。治療薬の創出にとどまらず、患者を健康な状態に戻し、社会に戻すことで労働生産性を向上させる試みが始まろうとしている。高血圧や高コレステロール血症、糖尿病の治療薬が相次いで登場したことで、生活習慣病を予防し、重症化させないという社会的コンセンサスがここ数年で急速に高まってきた。一方、がん領域...