リーズンホワイ 全国の病医院の外来患者数をマップ上で可視化 サービス提供開始
公開日時 2018/01/26 03:50
医療経営のデータ分析サービスを提供するリーズンホワイ(塩飽哲生代表取締役 本社・東京都港区)は1月26日から、同社の医療ビッグデータ解析ツール「WhytPlot(ホワイトプロット)」を通じ、全国の病院・診療所の一日あたり外来患者数をマップ上に表示するサービスを提供すると発表した。製薬企業のエリアマーケティングにも応用可能で、急性期病院の連携先となる近隣のクリニックの情報を通じ、担当MRと医療機関のリレーション向上などが期待される。
同社は、病診・病病連携における患者の流れを推測する「WhytPlot MAP(ホワイトプロットマップ)」のサービス提供を行っており、地図上に示した病院や診療所など、エリア内のターゲティング分析やターゲティング先の医療機関の課題の抽出などに利活用できる。今回新たに追加されるサービスは、マップ上に示された病院・診療所の一日あたり外来患者数を「赤色のバーの高さと色の濃さ」で表示させる。これにより、どの医療機関の外来患者数が多いかを一目で把握できる。
WhytPlot MAPに集積された情報は、地方厚生局や都道府県が公開している基本情報のほか、DPC評価分科会が公開する各病院の疾患群別患者数や、機能調整計数Ⅱの保険診療指数として設置された「病院情報の公表」データ、近隣の医療機関が届け出ている施設基準や医療機能ごとの病床数、疾患群別の患者数の推移-など。連携のある医療機関の名称や位置が容易に把握できる。
実際の利用シーンとして、例えば「横浜市港北区の循環器で患者数の多いクリニックはどこか」や、「さいたま市大宮区のCT撮影およびMRI撮影の施設基準を取っている患者数の多い診療所はどこか」といった条件で、該当する医療機関を地図上にプロットすることが可能だ。
政府は昨年3月末までに47都道府県ごとに地域医療構想を策定させた。この4月からは第7次地域医療計画をスタートさせることになっており、将来の高齢化と人口減少を見込み、地域・エリア内で急性期、回復期、慢性期、在宅を一人の患者をシームレスにつなぐ医療提供体制の構築を目指している。
◎ツール活用は「連携先を増やす大きなアドバンテージ」
4月実施の診療報酬改定でもこの概念が保険点数として評価される。同社は、こうした医療環境の変化を捉え、「急性期病院としては、紹介元となるクリニックの外来患者数を把握することは、連携先を増やす上で大きなアドバンテージになる」と説明している。また「病院の医師や地域連携室のスタッフ、また病院に対し情報提供や連携支援を行いたい製薬企業や医療機器メーカーに新たな発見をもたらす」としている。