入社式社長あいさつ 患者ニーズ重視を呼びかける内容目立つ
公開日時 2016/04/04 03:50
製薬各社の入社式が4月1日に行われ、新入社員に対する大手・準大手の経営トップのあいさつでは、患者ニーズを重視して仕事に取り組むことを呼びかける内容が目立った。
武田薬品のクリストフ・ウェバー社長は、最優先でフォーカスすべきは「常に患者さん中心に考える」ことと指摘。その次に「社会との深い信頼関係を築く」「タケダの評価をさらに高める」を挙げ、「この順にフォーカスすることが、さらなる成長につながる」とメッセージを送った。アステラス製薬の畑中好彦社長は、大事にしてほしいことの1つに「Patient Focus」を挙げて、その実践を通じて患者さんから感謝を頂く「最高の瞬間を体験していただきたい」と呼びかけた。第一三共の中山讓治社長は、「病める人を救うことの大切さを胸に刻み、それを担うことに大いなる誇りを感じていただきたい」と、取り組みを求めた。
中外製薬の永山治CEOは「トップ製薬企業を目指す社員として、患者さんと我々を支えてくれるステークホルダーを忘れてはならない」と指摘、そのことを念頭にイノベーションを起こすことを促し、大塚ホールディングスの樋口達夫社長も「患者さん、消費者の皆さまが求めることは何か、という本質を見極め、革新的な製品の開発により新規市場を創造していくことが重要」と、それぞれ患者ニーズを起点としたイノベーションを強調した。
田辺三菱製薬の三津家正之社長は、「患者さんと支える人々に待ち望まれる新薬を継続的に創製し、医療機関等への適正な情報提供とともに、患者さんに早くお届けすることが我々の責務」と話した。小野薬品の相良暁社長は、「病気と苦痛に対する人間の戦いのために、革新的な医薬品を創出し、提供するという使命を共に果たしていきましょう」と語りかけた。
「一流を目指せ」のメッセージも
ビジネスパーソンとしての成長に期待するメッセージも目立った。大日本住友製薬の多田正世社長は、「当社はあらゆる面において、一流になるべく努力している」とし、「みなさんにも『一流の企業人』になる道を歩いていただきたい」と述べ、事業環境の変化に対する好奇心と挑戦する姿勢を要件の1つに挙げた。塩野義製薬の手代木功社長は、「エクセレントビジネスパーソンとして、また、礼節・マナーの上でも一流であることを目指していただきたい」とエールを送った。エーザイの内藤晴夫CEOは、「人生には常に新しい体験や出会いがあり、人の成長には限界がない」との自らの仮説の実証に向けた取り組みに期待を寄せた。
協和発酵キリンの花井陳雄社長は、グローバル製品として期待する3製品が開発中であることを挙げ「挑戦の真っ最中の会社」であることを強調し、「皆さんは乗客ではなく、一緒に挑戦する仲間になるのです」と話した。