英MHRA 抗凝固剤の医療者向けe-ラーニングを開始
公開日時 2014/08/26 03:50
英国医薬品庁(MHRA)は8月初旬、経口抗凝固薬の副作用を減少させる目的で医療関係者向けのオンライン教育プログラム(e-ラーニング)を開始した。
抗凝固薬は、血栓の予防・治療には不可欠な薬剤だが、患者が適正な使用をしない場合、副作用で入院を余儀なくされる症例も多い。適正な使用上の注意により多数の副作用を防止できるため、医療関係者に同剤の適正使用を促すための教育の一環として、今回のe-ラーニングが企画された。
医師、看護師、薬剤師らを対象とした、この双方向プログラムでは、学習者に抗凝固薬についての要点、リスク管理の方法、さらに患者に同薬剤から最大のベネフィットを得られるように指導することなどを教育する。同e-ラーニングの具体的な内容は、重要な副作用の説明、副作用リスクを増大させる要因、医師や患者はどうすれば副作用リスクを軽減できるかの対策、副作用に対する治療法など。また、経口抗凝固剤のリスクおよびリスク管理の方法にについてクイズ形式の問答も採用したり、学習履歴をダウンロードできるような工夫もしてある。なお、全コースを修了すると、英国王立内科医会(RCP)薬学部門の生涯継続教育の一環として承認される。
MHRAのJune Raine医薬品ビジランスおよびリスクマネジメント部長は、「抗凝固薬は血栓の予防・治療に不可欠だが、しばしば、他のよく効く薬剤と同じように副作用を持つ」と指摘したうえで、「このe-ラーニングプログラムは、医療関係者に抗凝固薬の副作用を特定し、管理するために役立つ」とコメントした。
エジンバラ病院血友病センターのAngela Thomas博士は、「MHRAは、使いやすく魅力ある素晴らしい教育資材を提供することに成功した。抗凝固剤について楽しく学べ、クイズは学んだことのテストになっている」と同e-ラーニングプログラム評価した。