降圧薬と抗がん剤 抗てんかん薬と消化酵素製剤 似た販売名で誤投与 メーカー注意喚起
公開日時 2013/04/24 05:02
医療機関内で、販売名が似た違う薬剤を処方し、患者に誤って投与した医療ミスがあったとして、関係メーカーは注意を呼びかけている。この中で、降圧薬ノルバスク(ファイザー)を処方するところを抗がん剤ノルバデックス(アストラゼネカ)を処方した医療機関では、誤処方しやすいとしてノルバスクを採用していないなどのミス防止策をしていたものの、その対策をすり抜けてミスに至ったケースだった。
メーカーの文書によると、ノルバデックスを誤って処方した医療機関は、間違えやすい薬剤名だとしてノルバスクを採用していなかった。しかし、入院患者がノルバスクを持参、医師がオーダーリングシステムに「ノルバ」と入力した際に「ノルバデックス」のみが検索されたが、医師は、ノルバデックスの知識がなく、ノルバスクと勘違いし処方してしまった。ノルバデックスは抗がん剤であることを示す「青色」の表示がされていたが、医師はその意味を知らなかった。患者はその後転院し、紹介状にもノルバデックスを処方している旨が記載され、服用を続けていたが、病名と薬剤の適応症が合わないことに転院先の医師が気付き、ミスが判明した。
今回注意喚起された薬剤両剤のほか、▽消化酵素製剤エクセラーゼ(MeijiSeikaファルマ)を処方するところを抗てんかん薬エクセグラン(大日本住友製薬)を処方したケース▽調剤時に抗てんかん薬エクセミド(共和薬品工業)とシステムに入力するところを同薬のエクセグランと入力したケース--。抗てんかん薬エクセグランを誤って処方したケースは、入院患者が持参した消化酵素製剤エクセラーゼが医療機関のシステム画面上になく、エクセグランを選択。2日投与した後、患者が薬の説明書を見て気付き、ミスが判明したという。
これらは日本医療機能評価機構「医療事故情報等収集事業」に報告されたもの。これを受け、ファイザー、アストラゼネカ、MeijiSeikaファルマ、大日本住友製薬、共和薬品工業の各メーカーは文書で、オーダーリングシステムで取り違えを防ぐ表示をするなど工夫を求めている。