生化学 変形性膝関節症治療薬「SI-613」のフェーズ2開始 ヒアルロン酸とNSAID結合
公開日時 2013/02/12 04:01
生化学工業は2月7日、変形性膝関節症の治療薬として開発している「SI-613」の日本でのフェーズ2を開始すると発表した。同剤は、ヒアルロン酸と非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)を独自技術で化学結合した薬剤。ヒアルロン酸による関節機能改善効果に加え、NSAIDを徐放させる設計にすることで、 長時間にわたる鎮痛・抗炎症作用を期待する。
同剤は関節腔内に直接投与する注射剤。そのため全身血流への移行は極めて少なく、NSAIDsの経口剤やパップ剤のような局所製剤の投与と比較し、消化器などへの副作用が軽減されると考えられている。
同剤の対象としては、NSAIDs の経口・局所投与やステロイド剤の関節内注入などを処方されているものの、変形性膝関節症による痛みの強い患者を想定している。
変形性膝関節症は、関節内の軟骨に栄養を供給しているヒアルロン酸が減少することで、軟骨が傷つき、関節に炎症が起こり、関節を動かしたときの衝撃が吸収できなくなることから痛みが生じる。50歳代以上の男女の中でも特に女性に多く、70歳代女性の約70%が持っているという。