JT 脂質異常治療薬「JTT-705」 導出先のロシュ開発中止
公開日時 2012/05/08 04:01
日本たばこ産業(JT)は5月7日、同社が創製し脂質異常症治療薬(CETPモジュレーター)として開発中の「JTT-705」(dalcetrapib)について、海外導出先のロシュ社が開発中止したと発表した。フェーズ3まで進んでいた。
中止理由について同社広報部によると、安全性には特に問題なかったが、スタチンへの上乗せについて臨床的効果が見いだせなく、ロシュの治験に対し独立安全性評価委員会が中止勧告したもの。日本ではJTがフェーズ2まで進めているが、今後について「今後入手するロシュ社のデータを参考に意思決定をすることになるが、今の段階では開発は困難になりつつある」と見ているという。
同剤はHDL中のコレステロールをLDLに転送する蛋白質であるCETP(コレステリルエステル転送蛋白)の活性を調節することにより血中のHDLコレステロールを増加させて抗動脈硬化作用を示すとされていた。