DTC広告は消費者教育の機会 FDA Hamburg長官
公開日時 2011/08/09 04:00
米食品医薬品局(FDA)のMargaret Hamburg長官は、7月25日、消費者団体Public Citizen(PC)の幹部と会談、席上、医薬品のDTC(直接消費者向け)広告規制についてFDAの役割を見直す時期に来ているとの考えを示した。
これは、PCのRobert Weissman会長が、Hamburg長官に、新薬が発売された際には、発売後2年間はDTC広告を禁止させる考えがあるか尋ねたことに端を発した。かつて連邦議会に提出されたDTC広告2年間禁止の提案は、議会にとっては十分な「魅力」がなく、議会を通過しなかったが、消費者団体の間では、次の「処方せん薬ユーザー・フィー法」改定を視野に再度、浮上してきている。
Hamburg長官は、PCがDTC広告禁止を求めているとは聞いていないとしながらも、「我々がどうするかを考える時期には来ている」と述べた。しかし、一方で、同長官は、業界とFDAはDTC広告の問題については多くのエネルギーを割いているとし、「もし我々がDTC広告を全体として消費者に対する医薬品と保健の問題を語る手段と捉えるなら、もっと良いことが出来る機会を逃すことになる」と指摘、DTC広告を公衆衛生への懸念払拭と消費者教育の場ととらえることを示唆した。
このような考えはHamburg長官の持論のようで、2009年の記者会見でも、企業と協力し、製品広告に患者が治療中の疾患の一般情報を入れることを求めていた。同長官は、「DTC広告は頭を悩ます問題でもあるが、明らかにベネフィットもあるので、業界の意見も聞き、ディスカッションを深めたい」と話し、そのあり方について前向きに見直す考えだ。
(The Pink Sheet 8月1日号より) FDAと米国製薬企業の情報満載 “The Pink Sheet”はこちらから