日本てんかん学会 厚労省に新規抗てんかん薬の単剤使用で適応症承認を要望
公開日時 2011/06/30 04:00
日本てんかん学会(理事長:兼子直氏・弘前大学大学院医学研究科神経精神医学講座)は6月27日付で「新規抗てんかん薬の単剤使用の適応症承認に関する要望書」を細川律夫厚労相に提出した。海外で単剤治療の適応がある抗てんかん薬について、「可能な限り早期に本邦においても単剤療法に対する適応が得られることを強く望むところです」とし、学会として、新規抗てんかん薬の単剤療法の国内臨床試験の推進、単剤療法の早期承認に向けたスムーズな審査を要望している。
要望書では、2006年以降新規抗てんかん薬が4剤承認され、「これら新規抗てんかん薬の投与により、既存の抗てんかん薬では発作のコントロールが不十分だった患者さんにおいて発作の消失がみられる場合もあり、本邦におけるてんかん治療方法が大きく前進し、欧米の水準に近付きつつある」とした。ただし、これらの適応が他剤との併用療法のみで承認されていると指摘した。
一方で、てんかん治療において薬物相互作用等の安全性の観点からも多剤併用に比べ、単剤療法が望まれていると説明。その上で、海外で単剤治療として承認・使用されている薬剤も多くあると指摘。これら薬剤では、日本人を対象にした場合にも「単剤で有効であると考えられますし、安全性はすでに上記の他剤との併用療法の承認審査で評価されており、さらに、単剤が多剤併用よりも安全性に関してはリスクが低いと考えるのが妥当と思われます」との見解を示した。
その上で、てんかん治療では早期に発作をコントロール、消失させることが最も必要と強調。単剤で発作をコントロールできる症例が増加することは医療経済上もメリットがあるとしている。
なお、同要望書は、厚労省間杉純医薬食品局長、成田昌稔医薬食品局審査管理課長宛てにも提出されている。