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【ESMOリポート】ゲフィチニブのアジアンスタディ EGFR変異例に効果を裏付け

公開日時 2010/10/13 06:00

進行非小細胞肺がんに対し、EGFRを標的にするゲフィチニブ単独使用によるファーストライン治療について、日本を含むアジア地域で評価する大規模臨床試験「IPASS試験」(IRESSA Pan-Asian Study)の全生存期間(OS)に関する最新データが10月11日、イタリア・ミラノで開かれた第35回欧州臨床腫瘍学会議(ESMO)で報告された。これまで指摘されてきたようにEGFR変異を持つ患者での効果が高いことを改めて示し、OSは20カ月を超える結果が示された。


◎日本を含むアジアンスタディ


この試験は、1217人(日本人233人)の患者を対象に、ゲフィチニブ単剤群と、カルボプラチンとパクリタキセル化学療法併用群とを比較、評価するもの。日本、中国、香港、インドネシア、韓国、マレーシア、フィリピン、シンガポール、台湾、タイの医療機関で実施された。
すでに主要評価項目の無増悪生存期間(PFS)では、ゲフィチニブ群が化学療法併用群より有意に延長することが示され、EGFR変異例で有意に延長することは分かっていた。


今回、副次的評価項目であるOSの最新解析結果について国立台湾大学のChih-Hsin James Yang教授が、口頭で発表した(Late-Breaking演題)。その結果、EGFR変異を持たない患者を含めた解析では、ゲフィチニブ群18.8カ月、化学療法併用群17.4カ月と有意差は出なかった(HR=0.90、p=0.109)。そのうえでEGFR変異例と変異なし例について解析したが、いずれでも変異例の両群、変異なし例の両群でも有意差は出なかった。背景の一つとして、症状が悪化した場合などに認められている追加的治療が差をつけにくくしていることがあるとみられる。


しかし、EGFR変異例では両群とも、EGFR変異なしにおける両群に比べ、10カ月近いOSの延長が見られた。EGFR変異例(解析261例)では、ゲフィチニブ群(同132例)では21.6カ月、化学療法併用群(同129例)が21.9ヵ月。それに対し変異なし例(同176例)ではゲフィチニブ群(同91例)11.2カ月、化学療法併用群(同85例)12.7カ月にとどまり、今回、改めてEGFR変異例において奏功することが確認され、一次治療ではそのような患者を選んで投与することを考慮する必要性を示唆する結果となった。


 

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