【速報】ACCORD EYE フェノフィブラート上乗せで網膜症の進展を有意に抑制
公開日時 2010/06/30 04:00
フェノフィブラート+シンバスタチンの併用による積極的な脂質低下療法と、積極的な血糖コントロールにより、糖尿病網膜症の進展が有意に抑制されたことが分かった。2型糖尿病患者を対象に実施された大規模臨床研究「ACCORD」のサブ解析「ACCORD EYE」の結果から明らかになった。第70回米国糖尿病学会議(ADA)で、米国国立衛生研究所(NIH)のNational Eye InstituteのEmily Y.Chew氏が6月29日のセッション「Results of the ACCORD Clinical Trial」で報告した。(6月29日 米国・オーランド発 望月 英梨)
今回の解析は、血糖、血圧、脂質それぞれに積極的に介入することで、糖尿病網膜症の進行をどの程度抑制できるか検討することを目的に実施された。
解析対象は、ACCORD試験に登録された心血管イベントの発生リスクが高い2型糖尿病患者のうち、2856人。主要評価項目には、4年後の網膜症が進行した割合を据えた。
その結果、網膜症の進行がみられたのは8.9%(253人)。ただし、フェノフィブラート+シンバスタチンによる積極的な脂質低下療法を受けた群では6.5%(52例/806例)にとどまり、プラセボ群で10.2%(80例/787例)に比べ、網膜症の進行を有意に抑制した(P値=0.0056)。
Chew氏は、「積極的な脂質低下療法と、フェノフィブラート+シンバスタチンの併用は、網膜症が進行する人を約1/3に減らす」とし、積極的な脂質低下療法の意義を強調した。
なお、同試験の結果は、同日付の「The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE」のオンライン版に掲載された。
【同試験については、Monthlyミクス8月号にて詳報します】