ノボ・レベミルの発がん性、NPHインスリンと有意差みられず
公開日時 2009/08/24 04:00
ノボ ノルディスクファーマは8月20日、インスリンアナログ製剤「レベミル」(一般名:インスリンデテミル)の悪性腫瘍のリスクについて21試験を対象としたメタ解析の結果を発表した。その結果、レベミルと中間型(NPH)インスリン投与群との間に有意差はみられなかったとしている。
インスリンアナログ製剤と悪性腫瘍との関連性については、6月に欧州糖尿病学会(EASD)の学会誌「Diabetelogia」に、ランタス(インスリングラルギン、サノフィ・アベンティスが販売)をめぐる4つの論文が掲載された。このうち、悪性腫瘍との関連を指摘した論文が2本あったが、最終的な結論は出ておらず、コホート研究であったことなどからさらなる研究が求められている。
同社はこれを受け、21の無作為化比較試験の結果を抽出。レベミルとNPHインスリンの投与に伴う悪性腫瘍の発生率を比較した。その結果、レベミル投与群では0.44イベント/100人・年だったのに対し、NPHインスリン投与群では0.56イベント/100人・年で、有意差は見られなかった(P値=0.37)。
ノボ ノルディスクファーマは、インスリンアナログ製剤と悪性腫瘍との関連性について「最終的な結論を出すことはできなかった」とコメント。その上で、「レベミルの投与が人インスリンの投与と比べ、悪性腫瘍のリスクを高めることはないと確信している」としている。