武田薬品 経口オレキシン作動薬「TAK-994」めぐる2つの臨床第2相試験を中止
公開日時 2021/10/08 04:50
武田薬品は10月6日、経口オレキシン2型受容体選択的作動薬「TAK-994」をめぐる2つの臨床第2相試験を中止すると公表した。同剤は、慢性神経疾患であるナルコレプシータイプ1(NT1)治療薬として開発を進めていた。進行中の臨床第2相試験から安全性の懸念が表面化し、緊急の予防策として患者への投与を中断した。
同社ニューロサイエンス疾患領域ユニットのサラ・シェイクヘッドは、臨床第2相試験で安全性シグナルが存在したと説明した上で、「臨床試験に参加される患者の安全性確保は最重要事項だ」と指摘。進行中の2つの臨床試験の中断を判断した経緯を説明した。今後については、「TAK-994の今後の開発に向けて、入手可能なデータを迅速に評価したい」とコメントした。なお、同社は臨床第1相試験を実施中の経口オレキシン作動薬「TAK-861」を含む、複数新規候補物質を有するオレキシン・フランチャイズの開発に着手している。