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GDP国内導入でメーカー共同物流に機運 新薬メーカーや3PLに新たな動き

公開日時 2019/01/11 03:51

医薬品の適正流通(GDP)ガイドラインの国内導入で、新薬メーカーに共同物流の機運が出てきた。内資、外資の大手製薬企業を含む12社は、物流業務手順やスペックの標準化の検討を進めている。一方、日本通運は、GDP対応の共同物流センターを全国4か所に建設し、新薬メーカーを中心に提案を始める方針だ。既存施設を含め全国を結ぶサプライネットワークの構築を目指すもので、2~3年で10社程度の受託を期待する。

背景には、トラックやドライバー不足などに加え、GDPの国内導入があり、物流コストの増加が見込まれることがある。物流を共同化することで、投資やコストを抑えられ、関係者によると4割程度減らせるとの試算もある。

内資、外資の大手製薬企業を含む12社の検討では、18年8月から任意で集まったサプライチェーンマネジメント部門や調達部門の関係者が▽保管▽輸送▽監査において、管理基準や管理・作業手順書、トラックのスペックの標準化、監査手順・チェック項目などを詰めている。共同物流化に発展するかは未知数だが、製薬各社ごとに対応しては3PL側は物流センターやトラック等への投資判断を迷うおそれがあるとして、まずは物理業務手順等の標準化が必要と判断。標準化によりどの製薬企業から委託されても対応しやすくなり、製薬企業、3PLの対応コストを抑えつつ、GDP準拠体制を早期確立することを期待する。

この検討は、アステラス製薬、武田薬品、武田テバファーマ、武田テバ薬品の4社が、北海道に共同物流センター(三菱倉庫に業務委託)を開設し、共同物流を開始したことが契機。この4社を含む12社の検討は、管理基準や管理・作業手順書などのソフト面の検討にとどまる。日通の動きとも無関係。19年3月までには検討結果をまとめ、日本製薬団体連合会が19年度上期にも策定予定のGDPの解説書に盛り込み、業界としての標準化を目指す。

日通 全国4か所に医薬品共同物流センター建設 新薬メーカーに提案


日通は、埼玉県久喜市、大阪府寝屋川市、北九州市、富山県富山市にGDPに対応した医薬品に特化した物流センターを建設する。メーカーの工場から出荷された製品を保管し、医薬品卸等への物流センターへ運ぶ中核拠点として位置付けるもので、保管や輸送の共同化、輸配送車両の効率的な使用を描く。既存の施設も活用し、原材料、製品の輸入も含む調達、製造、販売に伴う保管・輸送の一貫した品質管理を実現するサプライネットワークを構築したい考え。4施設の建設には400~500億円を投資し、2020年中の稼働を予定する。

同社は、「GDPに準拠して流通・配送をするには今以上にコストがかかる。複数のメーカーが共同で行えるようにすることで、コストを減らせる」(広報部)と需要を見込み、一定以上の物流量のある新薬メーカーを中心に提案し、2~3年内に10社程度の受託を期待する。

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