本誌調査・2018年版新薬採用調査 採用率トップはマヴィレット配合錠
公開日時 2018/10/01 03:51
ミクス編集部が病院薬剤部を対象に行った「新薬採用アンケート調査2018年版」によると、採用率トップは「C型慢性肝炎またはC型慢性肝硬変におけるウイルス血症の改善」を効能・効果とするマヴィレット配合錠で60.7%となった。第2位には採用率51.3%で帯状疱疹の適応を取得した抗ヘルペスウイルス剤アメナリーフが入った。このほか上位の横顔をみると、使い勝手やアドヒアランスの向上などで製剤的工夫が施された革新的新薬が多数含まれている。
調査結果の詳細はMonthlyミクス10月号(10月1日発売)に掲載しました(こちら)。下段の関連ファイルより「直近5年間の採用率上位6製品」の一覧表をダウンロードできます(10月1日のみどなたでもダウンロード可能。その後はプレミア会員限定コンテンツになります)。
今回の調査は、2017年7月以降に発売された新薬50製剤をピックアップし、今年7月時点の採用の可否と、採用の理由について病院薬剤部から回答を得た。調査期間は18年7月26日~8月17日。調査票を全国1500病院に配布し、117施設からインターネットおよび郵送で回答が寄せられた。
◎C肝薬 採用率上位ランクは14年以降毎年
本調査結果によると、回答のあった病院薬剤部のうち、同一製品で採用率60%以上を確保できた新薬はマヴィレット配合錠の1剤にとどまった。トップの採用率が60%を超えるのは3年ぶり。採用上位ランキングを過去5年間で通してみると、マヴィレット配合錠の採用率は、2015年のタケキャブ錠の採用率79.0%、同年のクレナフィン爪外用液70.4%に次ぐものとなる。
一方、2014年以降に上市されたC型慢性肝炎治療薬の採用率は、2014年のソブリアードカプセル(採用率44.7%)、15年のスンベプラカプセル/ダクルインザ錠(59.3%)、16年のハーボニー配合錠(57.4%)、ヴィキラックス配合錠(42.6%)、17年のグラジナ錠(51.8%)、エレルサ錠(50.0%)となる。今回のマヴィレット配合錠は採用率の上位にランクされるC型慢性肝炎治療薬の中にあって、この領域の中で最も高い採用率を確保した。
◎アンメットメディカルニーズ満たす革新的新薬に高評価
調査では、新薬の採用理由についても尋ねた。▽薬理作用が新しい▽同じ薬効の既存薬がない▽既存薬より有効性が高い▽既存薬より副作用が低い▽投与経路、剤形の改良▽コンプライアンス向上に期待▽MRの活動姿勢を評価▽提供される情報の質が高い▽医師、薬剤部門からの要望▽購入条件がよい▽院外処方として-12項目から当てはまる選択肢を複数回答可で回答を得た。最多は、「医師からの要望」で、前年と同様の傾向となった。
◎薬理作用の新規性や有効性が評価
採用率上位20にランクされた21製品を分析したところ、「既存薬に比べて有効性が高い」では、マヴィレット配合錠がトップにランクされた。「薬理作用が新しい」では、グーフィス錠、デュピクセント皮下注、リムパーザ錠などが高評価を得た。このほか薬理作用の新規性や有効性が評価された薬剤の多くが、アンメットメディカルニーズを満たす革新的新薬として高い評価を得ていることも分かった。