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科研 18年度は3%減収、2ケタ減益見通し 爪白癬薬クレナフィン好調も改定影響大きく

公開日時 2018/05/10 03:50

科研製薬は5月9日、2019年3月期(18年度)の連結売上が948億円、前年度比3.7%減、各利益は2ケタ減益になる見通しと発表した。主力品の外用爪白癬治療薬クレナフィンは売上229億円、前年度比3%の成長を見込む。しかし、18年度薬価改定で「G2」に区分されて14%の薬価引下げを受けた同社売上トップ製品の関節機能改善薬アルツは12%強の減収見通し。後発品が参入した高脂血症治療薬リピディルは30%強の減収見通しのため、厳しい業績になるとしている。

同社によると、外用爪白癬治療薬市場でクレナフィンは金額ベースで8割強のシェアを占め、残り2割は競合薬ルコナックとなる。ルコナックは16年4月発売で、クレナフィンの成長鈍化の要因となっているが、同社によると両剤のシェアに最近はさほど変動はなく、安定しているという。

開発品ステージアップへの対応や導入戦略の加速に向け、18年度の研究開発費として117億円を計上、前年度比43.5%増となることも減益要因となる。開発品では、外用抗コリン薬で原発性局所多汗症を対象疾患とする「BBI-4000」がフェーズ3(P3)入りし、自社創製品でポストクレナフィンと位置付ける「KP-607」がP1入りするなどしている。

なお、17年度業績は、クレナフィンやアルツは概ね前年度並みを確保したものの、癒着防止吸収性バリアのセプラフィルムなどの減収や、研究開発費の増加により、連結業績は減収、2ケタ減益だった。

【17年度連結業績(前年同期比) 18年度予想(前年同期比)】
売上高  984億3000万円(3.0%減) 948億円(3.7%減)
営業利益  274億9600万円(10.5%減) 225億円(18.2%減)
親会社帰属純利益 190億4300万円(13.5%減) 164億円(13.9%減)

【17年度主要製品国内売上高(前年同期実績) 18年度予想、億円】
アルツ 283(289)248
クレナフィン 221(216)229
セプラフィルム 101(110)102
リピディル 42(44)29
フィブラストスプレー 36(37)31
ジェネリック合計 117(119)112
※1億円未満切り捨て

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