GSK 安全性情報の収集・分析にデジタル技術導入 学術論文から有害事象を抽出
公開日時 2017/09/04 03:50
グラクソ・スミスクライン(GSK)は8月31日、医薬品に関する安全性情報の収集・分析に新たなデジタル技術を導入すると発表した。学術論文の専門用語や文脈を認識・抽出するデジタル技術を用いて、学術論文を分析、医薬品と有害事象の関連性が示唆される情報を抽出し、効率的な安全性評価を行う。結果として、迅速な情報提供にもつなげる。
導入する技術は、論文などのテキスト分析を効率的に行える、英SciBite社の「セマンティック・テキストマイニング技術」というもの。同社によると、これまでは安全性部門の担当者が自らの目で見て分析していたが、目を通せる論文量には限界がある。そこで、この技術を通して大量の論文から抽出されたデータを、安全性部門担当者が確認、評価することで、情報の質の向上を図る。
これはGSK日本法人の取り組みで、この技術を活用した新たな学術論文分析手法を開発するためのパイロットを実施、有用性を確認。情報の抽出の根拠も妥当であったとして、このたび実用化の運びとなった。
デジタル技術の活用は日本法人全体で検討しており、その成果の一つ。その取り組みのリーダーで、専務取締役開発本部長の高橋希人氏は、プレスリリースで「新たなデジタル技術を活用することにより、私たちの安全性情報の収集・分析力が強化され、よりタイムリー、かつ、適切な意思決定・情報提供を行うことができることを期待している」としている。