日本リリー デジタルチャネル専任MRを配置 画面を通して情報提供

公開日時 2017/03/16 03:52
  • Twitter
  • 印刷

日本イーライリリーのパトリック・ジョンソン社長は3月15日、東京都内で開いた2016年業績の発表会見で、情報提供活動に関して、「特にデジタル化を進めたい」と述べ、医療関係者にウェブ画面を通して情報提供活動する専任MRを配置したことを明らかにした。同社では「e-MR」と呼んでいる。医師が都合の良い日時に予約してアクセスしてもらい、画面を通してe-MRがやり取りする。16年に試行導入しており、17年から本格導入する。e-MRの人数は非開示だが、「積極的に増やしている」(広報部)という。

同社は、デジタルを活用してカスタマーレスポンスを向上させ、必要な情報を、必要な時に、より簡単に届けることを実現する考え。医療関係者向け情報では▽e-MR▽LillyMedical.jp▽e-学術――を運用していく。

LillyMedical.jpは学術情報を豊富に掲載し、FAQ(よくある質問とその回答)は従来の10倍以上掲載している。ジョンソン社長は「大きなデータバンクで、医療関係者に重要な情報をとってもらえる。24時間いつでもサーチエンジンで検索可能」と紹介した。

e-学術は、テキストチャット、ビデオチャット、画面共有によって、研究開発本部に所属する学術担当者(同社では「メディカルリエゾン」と呼称)が医療関係者と国内未承認の内容を含め情報交換する。年内に開始する予定。効率的かつ効果的に学術情報を実際の面会なしに医療関係者に提供でき、学術担当者と医療関係者との面会日時の調整に要する時間を大幅短縮できるとしている。同社広報部は本誌取材に、「学術担当者が応対し、プロモーションとは一線を画している」と説明した。

患者サポートでも独自の取り組みを行う。乾癬患者向けに現在、症状やその日の気分などを記録できる専用アプリを導入し、主治医がその内容を確認できるが、この患者がフリーダイヤルで専任サポートスタッフと連絡が取れる仕組みも取り入れた。基本的に毎回、同じスタッフとやり取りできることが特徴。例えば注射をした日に風呂に入っていいかなど治療生活の中でわからないことや困ったことに応える。なお、症状や治療内容に対する助言は医療行為にあたるため提供しないとしている。グローバルでの取り組みを国内導入した。

■16年売上2432億円、前年比3.1%増 MRは当面1900人体制

同社日本法人の16年売上は2432億円で、前年比3.1%増だった。16年4月の薬価改定で約5%のマイナス影響があり、最主力品の抗精神病薬ジプレキサには6月に21社105品目の後発品が参入するなどの減収要因があった。これを、疼痛関係の適応を追加したSNRIサインバルタが36.6%の増収となり、結腸・直腸がんや肺がんの適応を追加した抗がん剤サイラムザは売上が4倍になるなど特に適応追加した製品群が大きく伸長し、結果として3.1%の成長を果たした。

この成長率はC型肝炎薬で急成長したギリアド・サイエンシズ、がん免疫療法薬オプジーボで急成長した小野薬品に次ぐ業界3位の成長率で、同社としては、8年連続で業界3位以内の成長率を堅持したことになる。16年の売上ランキングは12位(前年13位)。同社は「20年に売上トップ10入り」を目指しており、ジョンソン社長はこの達成に自信を見せた。

新薬上市や適応追加が相次ぎ、業績が右肩上がりということもあって、同社はこれまで年平均200人ペースでMRを増やしてきた。ジョンソン社長は今後のMRの増員計画について、「16年も増員し、MRは1900人いる。現在のレベルで十分、これでいきたいと思う」と述べ、製品ラインナップを踏まえると当面はMR1900人体制で展開していくとの考えを示した。

【主な製品の16年売上(薬価ベース:IMS)】
フォルテオ(骨粗鬆症治療薬)488億円(8.9%減)
ジプレキサ(抗精神病薬)477億円(22.1%減)
サインバルタ (抗うつ薬、疼痛薬)416億円(36.6%増、塩野義製薬の売上含む)
トラゼンタ(糖尿病治療薬)385億円(10.4%増)
アリムタ(抗がん剤)373億円(2.1%減)
サイラムザ(抗がん剤)289億円(314.2%増)
ストラテラ(AD/HD治療薬)229億円(25.1%増)
インスリン(糖尿病治療薬)167億円(2.6%減)
エビスタ(骨粗鬆症治療薬)131億円(35.1%減)
ヒューマトロープ(糖尿病治療薬)94億円(4.5%減)
ザルティア(排尿障害改善薬)90億円(86.3%増)
トルリシティ(糖尿病治療薬)44億円(1690.3%増)
ジャディアンス(糖尿病治療薬)41億円(813.0%増)
ジェムザール(抗がん剤)35億円(29.1%減)
インスリングラルギンBS注リリー(糖尿病治療薬)31億円(367.6%増)
トルツ(乾癬治療薬)0.3億円(-)

関連ファイル

関連するファイルはありません。

      

 

この記事はいかがでしたか?

読者レビュー(7)

1 2 3 4 5
悪い   良い

 

 

広告

広告

広告

広告

広告

広告

市場に密着した医薬情報&マーケティング誌

 

4月号特集
(Promotion)

地方発 動き出した産業構造改革

製薬業界もヘルスケア産業へ

転換の時

 

4/1発行

 

ミクス編集部のtwitter

 

ミクスOnlineのモバイルサイトは下記QRコードよりアクセスしてください

QRコード

http://mobile.mixonline.jp/