ノバルティスは１月27日、2014年度通期業績（14年１～12月）を発表し、売上高579億9700万ドル（前期比１％増）、営業利益107億3600万ドル（同１％増）、純利益102億8000万ドル（同12％増）だった。眼科部門のアルコン事業、ジェネリック部門のサンド事業は比較的好調だったが、中核の医療用医薬品事業は１％の減収で、同事業の営業利益は10％の減益となった。特許が満了した降圧剤ディオバン/コディオや悪性腫瘍骨転移治療薬ゾメタの大幅減収が響いた。なお、通期業績の前期比の数値は診断薬事業など非継続事業を除いて算出したもので、前期発表数値と単純比較すると、総売上高の伸び率はほぼ横ばいになる。

一方、14年通期のアルコン事業の医療用医薬品売上、サンド事業、ワクチン事業を含む医療用医薬品売上高は約471億ドルとなる。同日に発表されたファイザーのコンシューマーヘルス事業などを除く医療用医薬品売上高は約457億ドルであり、医療用医薬品売上高でノバルティスがファイザーを抜き世界ナンバーワンとなった。

事業別売上高は医療用医薬品事業が317億9100万ドル（同１％減）、アルコン事業が108億2700万ドル（同３％増、医療用医薬品のみでは42億1100万ドル）、サンド事業が95億6200万ドル（同４％増）、ワクチン事業部門が15億3700万ドル（同23％減）、コンシューマーヘルス事業が42億7900万ドル（同５％増）――。

医療用医薬品の製品別売上をみると、好調だったのは同社トップ商品である慢性骨髄性白血病治療薬グリベック47億4600万ドル（同１％増）、グリベックの後継品であるタシグナ15億2900万ドル（同21％増）、がん分子標的治療薬（mTOR阻害薬）アフィニトール15億7500万ドル（同20％増）、多発性硬化症治療薬ジレニア24億7700万ドル（同28％増）、――。一方で、同社売上２番手の降圧剤ディオバン/コディオが23億4500万ドル、前期比33％減と前期に引き続き２桁の大幅減収、前期にブロックバスター圏外となった悪性腫瘍骨転移治療薬ゾメタが前期比56％減の２億6400万ドルまで落ち込んだ。

このほかの主要製品売上は、加齢黄斑変性治療薬ルセンティスが24億4100万ドル（同２％増）、先端巨大症/神経内分泌腫瘍治療薬・サンドスタチンが16億5000万ドル（同４％増）、降圧配合剤エックスフォージが13億9600万ドル（同４％減）、経口血糖降下薬（DPP-4阻害薬）ガルバス（国内製品名エクア）が12億2400万ドル（同２％増）、アルツハイマー型認知症治療薬イクセロン/イクセロンパッチ10億900万ドル（同２％減）――となっている。