ファイザー 60歳以上対象のRSウイルスワクチンを承認申請
公開日時 2023/05/30 04:48
ファイザーは5月26日、60歳以上を対象とする組換え2価融合前Fタンパク質抗原含有RSウイルスワクチンを承認申請したと発表した。同ワクチンは、RSウイルスAおよびBそれぞれのFタンパク質の組換え体を含有する2価ワクチン。
RSウイルスは、乳児だけでなく60歳以上においても呼吸器感染症の主な原因のひとつ。呼吸器系に影響を与え、重篤な転帰となる可能性がある。日本では約6万2000例の入院と約4400例の死亡原因と推定されているが、現在RSウイルス感染症を予防するワクチンはなく、対症療法のみが行われている。
ファイザーR&D社の石橋太郎社長は、「近年、RSウイルス感染症は高齢者における重症例が先進国で問題となっているが、RSウイルス感染症を予防するワクチンはない」と指摘。その上で、「RSウイルスワクチンは開発優先度の高いワクチンとして厚生労働省の指定を受けており、1日でも早く承認が得られるよう関係者と協業していく」とコメントしている。
ファイザーのRSウイルスワクチンは、米国国立衛生研究所(NIH)による融合前Fタンパク質の結晶構造などに関する基礎研究に基づくもの。この研究により、RSウイルスの融合前Fタンパク質をベースとするワクチンが、RSウイルス感染を予防する可能性があることが示唆された。そこでファイザーは多数の融合前Fタンパク質構造体を評価し、非臨床研究で強力な抗ウイルス免疫応答を誘導するワクチン抗原を特定した。