BMS 乾癬治療薬デュークラバシチニブを承認申請 初の経口TYK2阻害薬
公開日時 2021/12/01 04:49
ブリストル・マイヤーズ スクイブ(BMS)は11月30日、経口投与できるチロシンキナーゼ2(TYK2)阻害薬デュークラバシチニブを日本で承認申請したと発表した。予定適応は尋常性乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症。TYK2阻害薬の国内申請は今回が初めてで、同剤がファーストインクラス薬になる可能性がある。
TYK2は、細胞外からの刺激シグナルを細胞内に伝達するために働くリン酸化酵素群のひとつであるJAKファミリーの分子。乾癬を含む自己免疫疾患の病態に寄与するインターロイキン(IL)-12、IL-23、I型インターフェロンなどの炎症性サイトカインの受容体に結合して下流にシグナルを伝達する役割を担っている。デュークラバシチニブはこれらのTYK2に依存するシグナル伝達経路を高い選択性で阻害し、効果を発揮する。
今回の申請は、中等症から重症の局面型皮疹を有する乾癬患者を対象とした日本を含む国際共同第3相臨床試験と海外第3相臨床試験、中等症から重症の局面型皮疹を有する乾癬患者、膿疱性乾癬患者、乾癬性紅皮症患者を対象とした国内第3相オープンラベル試験の結果に基づく。
国際共同第3相試験と海外第3相試験では、ともに主要評価項目とした投与16週のsPGA 0/1(=医師による特定時点における皮疹の重症度の総合評価)とPASI75(=PASIは皮膚の状態の程度と広さを点数化して病状の程度を判定する指標。PASI75は治療前と比べてスコアが75%改善したことを表す)は、いずれもプラセボ群に比べてデュークラバシチニブ群で統計学的に有意に高い達成率が示されたとしている。
また、既承認のアプレミラスト群との比較でも、副次評価項目とした投与16週のsPGA 0/1とPASI75は、デュークラバシチニブ群で統計学的に有意に高い達成率が示された。デュークラバシチニブは投与24週に最大効果が認められ、52週間の投与期間にわたって効果が持続したとしている。国内第3相オープンラベル試験では、主要評価項目の投与16週のsPGA 0/1達成率とPASI75達成率はそれぞれ75.7%、71.6%だった。
安全性は、国際共同第3相試験と海外第3相試験の統合解析で、投与16週までの重篤な有害事象の発現割合は1.8%(プラセボ群2.4%)で、長期投与により発現割合が上昇する傾向もみられなかったという。日本人特有の新たな安全性の懸念は認められなかったとしている。