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HER2陽性乳がんの国際共同P3 パージェタ併用でOSが標準療法に比べ15.7か月延長

公開日時 2014/10/02 03:50

中外製薬は9月30日、HER2陽性乳がんの治療に用いるパージェタ(一般名:ペルツズマブ)を、従来の標準療法であるハーセプチン(トラスツズマブ)とドセタキセルに上乗せすることで、全生存期間(OS)が15.7カ月有意に延長したと発表した。日本を含む25カ国による国際共同第3相試験(CLEOPATRA)の最終結果を受けてロシュがリリースしたものを、戦略的提携を組む同社が国内向けに発表した。

 

国際共同P3の対象は、未治療または術前/術後補助化学療法後に再発が確認されたHER2陽性転移性乳がん患者808例で、パージェタとハーセプチン、ドセタキセルの併用(パージェタ群)およびハーセプチンとドセタキセル、プラセボの併用(プラセボ群)について、無増悪生存期間(PFS)やOS、安全性プロファイルを検証した。その結果、主要評価項目のPFS中央値はプラセボ群12.4カ月、パージェタ群18.7カ月とパージェタ群で有意に延長した。OS中央値もプラセボ群40.8カ月、パージェタ群56.5カ月で、パージェタ併用群で15.7カ月の有意な延長が示された。パージェタ群で多く発現した有害事象は下痢や発疹、粘膜炎症などだった。

 

ロシュ最高医学責任者のSandra Horning氏は「パージェタ併用群における生存期間の中央値は5年に迫っており、ハーセプチンと化学療法のみの併用群よりも15.7カ月長いもので、この改善の大きさは進行がんの臨床試験ではそうそう見られるものではありません」とコメントしている。

 

パージェタとハーセプチンは、国内では中外製薬が、海外ではロシュが発売している。乳がんに関する国内適応は、ハーセプチンが「HER2過剰発現が確認された乳がん」、パージェタは「HER2陽性の手術不能または再発乳がん」。乳がん患者の2割程度がHER2陽性とされている。
 

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