やり直し薬剤経済学(6)~ディシジョンツリー
公開日時 2014/02/28 00:00
クレコンリサーチアンドコンサルティング株式会社医療アセスメント研究部小林慎1.モデルと期待値薬剤経済学では分析対象となる医薬品の費用対効果を評価するためにモデルを使います。モデルとは、患者の予後と治療の流れを簡略に表現したものです。いろいろな種類のモデリング技法がありますが、どのモデリング技法も、様々な出来事を確率的に考えます。「脳卒中が再発する確率は毎年5%である」とか、「薬剤Aを投与した場合の有効率は80%である」などのようにです。そしてモデルでは、期待値によりアウトカムの評価を行います。期待値とは、「確率的に期待される値」という意味です。薬剤経済学で扱うアウトカムには、生存年や費用などがありますが、期待値として扱う場合は、それぞれ期待生存年、期待費用と呼びます。期待値の計算例として、あ...