バイエルグループ・12年通期業績 医療用薬は8.6%増収 北米・アジアが牽引
公開日時 2013/03/05 04:00
バイエルグループは2月28日、同グループの2012年通期業績が売上高397億6000万ユーロ(前年比8.8%増)、純利益24億4600万ユーロ(同1.0%減)の増収減益になったと発表した。このうちヘルスケア事業は売上高186億1200万ユーロ(同8.4%増)で、医療用医薬品、コンシューマーヘルスともに8%超の増収を記録し、やはり増収となった農薬関連事業83億8300万ユーロ(同15.5%増)、素材科学事業115億300万ユーロ(同6.2%増)とともに売上伸長を牽引した格好となった。
ヘルスケア事業の売上高の内訳は、医療用医薬品事業108億300万ユーロ(同8.6%増)、コンシューマーヘルス事業78億900万ユーロ(同8.2%増)。また、ヘルスケア事業の地域別売上高内訳は、ヨーロッパ64億8400万ユーロ(同1.7%増)、北米49億6100万ユーロ(同13.8%増)、アジア・太平洋42億300万ユーロ(同15.0%増)、ラテンアメリカ・アフリカ・中東29億6400万ユーロ(同6.7%増)。さらにヘルスケア事業のうち医療用医薬品事業の地域別売上高はヨーロッパ36億7800万ユーロ(同0.5%増)、北米23億7000万ユーロ(同15.7%増)、アジア・太平洋29億4300万ユーロ(同16.5%増)、ラテンアメリカ・アフリカ・中東18億1200万ユーロ(同5.6%増)。主力とするヨ-ロッパでは、医療用医薬品に対する各国の厳しい価格政策により、売上伸長が抑えられた形だ。
製品別通期売上高では遺伝子組換え型インターフェロン-β-1b製剤・ベタフェロン/ベタセロン12億1600万ユーロ(同8.9%増)、遺伝子組換え型血液凝固第VIII因子製剤・コージネイト11億8200万ユーロ(同10.0%増)、経口黄体ホルモン・卵胞ホルモン混合月経困難症治療薬(配合剤)・ヤーズ/ヤスミン10億4500万ユーロ(同2.3%減)。同社のブロックバスター群では、とりわけ西ヨーロッパ地域でのジェネリックとの競合が激しいヤーズのみが減収となった。
◎イグザレルト「独、米、日本での売上伸長著しい」
その他の医療用医薬品の通期売上高は抗がん剤(キナーゼ阻害薬)・ネクサバール7億9200万ユーロ(同9.2%増)、子宮装着式避妊薬・ミレーナ6億7700万ユーロ(同16.5%増)、高血圧・狭心症治療薬 ・アダラート6億7000万ユーロ(同4.7%増)、ニューキノロン系経口抗菌薬 ・アベロックス/アバロックス4億8600万ユーロ(同0.0%)、抗血小板薬・アスピリン カルディオ4億7600万ユーロ(同17.8%増)、食後過血糖改善薬(α-グルコシダーゼ阻害薬)・グルコバイ4億800万ユーロ(同12.7%増)、選択的直接作用型第Xa因子阻害薬・イグザレルト3億2200万ユーロ(同274.4%増)、勃起不全治療薬・レビトラ3億700万ユーロ(同7.5%減)、ニューキノロン系抗菌薬・シプロ/シプロバイ2億2900万ユーロ(同1.3%減)、高脂血症治療薬(小腸コレステロールトランスポーター阻害薬)・ゼチーア2億700万ユーロ(同15.6%増)、女性ホルモン製剤・ダイアン1億9400万ユーロ(同6.6%増)、高リン血症治療薬・ホスレノール1億8700万ユーロ(同27.2%増)。
このうちイグザレルトに関してバイエルでは「ドイツ、アメリカ、日本での売上伸長が著しく、医療用医薬品全体の売上に貢献した」と評した。
なお、コンシューマヘルス事業売上高の内訳は、コンシューマーケア38億5300万ユーロ(同9.0%増)、メディカルケア26億5300万ユーロ(同6.1%増)、アニマルヘルス13億300万ユーロ(同9.9%増)となっている。