日本アルコン 国内初の緑内障手術用デバイスの承認取得
公開日時 2012/01/10 04:00
日本アルコンは緑内障の眼圧低下を目的とした手術に用いるデバイス「アルコン エクスプレス 緑内障フィルトレーションデバイス」の承認を11年12月20日に取得したと発表した。薬物治療やレーザー治療などの治療法では十分な眼圧下降が得られない患者に、新たな治療の選択肢をもたらすとしている。
緑内障治療の第一選択は薬物治療だが、薬剤でも眼圧が低下しない場合はレーザー治療や観血的手術が行われる。この観血的手術の中でも代表的なものが線維柱帯切除術(トラベクレクトミー)で、眼内の房水を眼外に流出させるために線維柱帯に流出経路を作成して眼圧を降下させ、視力を維持させる。これに対して今回承認されたデバイスでは、デバイスそのものが房水流出経路の役割を果たす管として機能するため、従来と比較して、▽より簡便に房水流出経路を作成でき、規格化されたデバイスで一定量の房水の流出が予測可能▽低侵襲で炎症を発症する可能性が低い▽術中の眼圧変動が小さく、手術時間が短縮できる――などのメリットがあるという。また術後の眼圧をコントロールする薬剤数も減少できると説明している。
日本アルコンのトーマス・エー・ドゥーリー代表取締役は、「これまで唯一眼圧降下が期待できる手術であった線維柱帯切除に加え、『アルコン エクスプレス 緑内障フィルトレーションデバイス』が承認されたことで今後、医療従事者や緑内障患者に新たな治療の選択肢が提供できる」とコメント。同社では緑内障治療薬デュオトラバなどもラインナップしていることから、「薬剤治療から手術デバイスに至るまで緑内障領域に幅広いソリューションを有することになった。日本の緑内障治療の進歩に一層貢献していきたい」としている。