糖尿病に対する薬剤経済分析(1)
公開日時 2009/08/31 00:00
糖尿病は、複数の合併症が並行して進展し、最終的には、透析、失明、下肢切断に至る恐ろしい病気です。糖尿病合併症は、患者の健康アウトカムの低下と同時に莫大な医療費の増加をもたらします。今回は医療経済の観点からの糖尿病の現状を紹介します。糖尿病とは何か非常にシンプルに定義してしまえば、糖尿病とは、インスリンの作用が不足することにより、血中のブドウ糖が増えすぎてしまう病気です。食後に増加した血中のブドウ糖は、インスリンの働きにより細胞に取り込まれ、通常血中のブドウ糖濃度は一定に保たれています。しかし、高血糖状態が長く続くと、インスリンが徐々に効かなくなってきます。インスリンは膵臓のランゲルハンス島β細胞で分泌されますが、このような状態になると、膵臓はさらにインスリンを活発に分泌しようとがんばります。...