薬剤経済学におけるモデル分析(1)
公開日時 2008/05/31 00:00
医薬品の価値を評価するためのQALYs(質調整生存年)は、効用値と生存年数を掛けたものを累積することによって計算されます。しかし、臨床試験の追跡期間内で患者の生存年を測定することは非常に困難なため、薬剤経済学ではモデル分析を活用します。今回から2回にわたり、薬剤経済学におけるモデル分析について紹介します。臨床試験とモデル分析前回は、医薬品の価値は生命予後とQOL(効用値)の変化によって表すことができ、それらを統一的に評価するために質調整生存年(QALYs)が用いられることを示しました。QALYsの計算のためには、生命予後と長期的なQOLの変化に関する情報が必要になりますが、比較的短期間で実施される臨床試験において、これらを測定することは非常に困難です。臨床試験は、厳格に定められたプロトコルに...