3つ以上の治療の評価
公開日時 2008/11/30 00:00
これまでは2つの治療法を費用対効果の観点から評価することに焦点を当てて説明してきました。しかし実際の分析では、3つ以上の治療法を評価する場合もあります。今回は、3つ以上の治療法の取捨選択に関する意思決定の方法を紹介します。効率的フロンティアある架空の疾患Xを考えましょう。疾患Xには、現在利用可能な治療法が5つあります。図1(1)にこの5つの治療法の費用と効果(QALYs)を示しました。治療Aから治療Eまで徐々に費用が大きくなるように並んでいます。Aが最も古く、Eが最も新しい治療と考えてもよいでしょう。数字だけでは位置関係がよくわかりませんから、費用対効果平面上に各治療法をプロットした図も示します(図2(1))。これまでの連載では、費用対効果平面上での位置関係により、2つの治療法(新薬、従来薬...