FDA Gleevecを小児ALLの適応追加の承認
公開日時 2013/02/06 04:00
米食品医薬品局(FDA)は1月25日、チロシンキナーゼ阻害剤Gleevec(イマチニブ)について、フィラデルフィア染色体陽性(Ph+)の急性リンパ性白血病(ALL)の小児患者用の適応追加を承認した。ALLは小児がんではよくみられ、米国では毎年約2900例が新患である。
Ph+ALLの小児は、チロシンキナーゼと呼ばれるタンパクが未熟な白血球を過剰に産生させるように骨髄を刺激する遺伝的異常を持っている。このことで、感染と闘う健常な白血球が少なくなる。
Gleevecは、がん細胞の進展を促進するチロシンキナーゼタンパクを阻害する。同剤は化学療法との併用となっている。
FDA医薬品評価研究センターのRichard Pazdur血液学・腫瘍製品部長は、「小児のがんに対する治療薬の数が上昇傾向にあることは喜ばしい」とし、「今日の承認が、がんを患う米国の小児患者に新規のよりよい治療法を提供することが出来たのは、FDA、小児腫瘍グループ(Children Oncology Group)、国立がん研究所(NCI)の継続的な交流のたまものだ」と話している。
同剤の有効性・安全性は、小児腫瘍グループが実施、NCIが支援した臨床試験で検証された。
同剤は、2001年にインターフェロンα剤による治療が奏功しなかった急性転化加速期あるいは慢性期のフィラデルフィア染色体陽性慢性骨髄性白血病(CML)治療薬として迅速承認されたのち、複数の適応追加を取得した。最近では、2011年には、小児における新規に診断されたCML治療薬、2012年には、Kit(CD117)タンパク陽性の消化管間質腫瘍(GIST)切除後の成人患者の治療薬として承認された。
Gleevecは、ノバルティスの米法人(ニュージャージー州イーストハノーバー)が販売する。