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MomentaのエノキサパリンGE、バイオシミラー訴訟の先駆けに

公開日時 2011/11/24 04:00

Momentaがサノフィの抗血栓薬ヘパリン製剤Lovenox(エノキサパリン)の他社の後発品(GE)を排除しようとしているのは、米食品医薬品局(FDA)がバイオシミラー承認すると裁判所で訴訟が頻発することの先駆けといえそうだ。


エノキサパリンの後発品については、Momentaと提携先のサンドが2010年7月に発売、次いで、Amphastar PharmaceuticalsのGEが2011年9月19日にFDA承認を取得、Watson Pharmaceuticalsは2011年第4四半期に同GEを発売すると発表した。しかし、Momentaとサンドは、AmphastarおよびWatsonに対して、同社のGEはMomentaとサンドの製法特許を侵害していると訴訟提起した。


マサチューセッツ連邦裁判所は、10月28日、AmphastarおよびWatsonに対してエノキサパリンのGEの販売差し止めを命じた。通常、ANDA(GEの簡略承認申請)に係る訴訟は製法特許の問題が中心で、バイオシミラー領域の問題とは別問題とされている。


確かに、エノキサパリンはバイオ製剤ではないが、バイオシミラーと同じような問題を提起する複雑な化合物だ。その理由は、先発品と同じ製品を製造する製造過程を開発することが難しいことにある。すなわち、バイオ製剤にように、参照品に高度に類似させることが難しい。エノキサパリンは、糖鎖を構成する生ヘパリンを小さな糖鎖に劈開することによって製造される低分子量ヘパリンである。Momentaは、個々の糖鎖の特徴を持ったエノキサパリンを確保するために一連の製造プロセスを開発した。このような複雑な製造プロセスを開発せざるを得ない製品だけに訴訟ではバイオシミラーの先駆けといわれるようだ。


MomentaはサンドとエノキサパリンのGEを併売しているが、Momentaは第2四半期には2億5600万ドル売り上げ、サンドは売上を11%落とし2億5900万ドルになったという。Lovenoxは、サノフィの売上No.2製品で、2009年の米国での売上は約25億ドルで、世界売上は40億ドルだった。サノフィは、今年第4四半期にオーソライズド・ジェネリック(AGE)を発売する計画だ。サノフィがAGEを発売するとサンドはサノフィにロイヤルティと利益分配を支払わなければならないことになっている。

 

(The Pink Sheet  11月7日号より)  FDAと米国製薬企業の情報満載 “The Pink Sheet”はこちらから
 

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