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日本新薬 社員がハルシオン後発品を不適正使用 私的な宴席で 不正入手は否定

公開日時 2011/09/06 04:02

日本新薬の女性社員がツイッターで不正に入手した不眠症など用いる向精神薬ハルシオン(一般名:トリアゾラム)の後発品(ジェネリック、GE)を薬局から不正に入手し、飲み会の席でお酒に入れたと書き込んだ件で、同社は9月5日、社内調査結果をホームページ上に掲載した。同社は、女性の書き込みは伝聞に基づくものだったとし、本人の関わり、不正入手も否定したが、他の男性社員がハルシオンGEを酒に混ぜて飲ませた不適正使用があったことは認め、お詫びするとともに、関係者を処分する考えを示した。調査結果は、厚生労働省と本社のある京都府に報告した。

この件は、東京都内を担当するMRだと名乗るこの女性社員が8月29日、ツイッターに「うちの社員、仲良い薬局からハルシオンの後発まとめ買いして飲み会の時に酒に入れたりしてるしな」などと書き込んだことが発端。これに対し、処方せんがないまま入手している疑いや、向精神薬を治療以外の目的で譲渡することを禁じている麻薬及び向精神薬取締法(麻向法)違反のおそれがある行為だとして、インターネット上の掲示板などで騒ぎが広がった。

同社の調査結果や広報部によると、不適正使用があったのは09年5月下旬、山梨県の山中湖で東京とその周辺の県の事業所の社員有志が行った私的な泊りがけのイベント。社員家族を含め50~60人程度が参加したもので、その中の男性数名の宴席で1人の男性社員が自らの治療のために所持していたハルシオンGE0.125mg1錠ずつを、「安易な気持ちで」2人の先輩男性社員の酒の入ったコップに入れ、2人は知らずに飲んだ。その後2人は「1名はその後まもなく、もう1名は引き続きお酒を飲んで就寝し、両名とも翌朝通常通り起床」したとしている。

その場にこの女性社員はおらず、ツイッターに書いたのは、この出来事について帰りの車中で聞いたことに基づくものという。同剤は酒と飲むことで作用が強くなりすぎ、朦朧した状態に陥ったりするおそれがあるが、飲まされた2人に健康被害はなく、被害届を出すといった動きはない。

同社は社員の身分を明かしていないが、この女性社員、先輩を含む男性社員も全てMRとみられる。同社は「医薬品を取り扱う製薬企業の社員が、業務外の場面とはいえ、医薬品を使って不適切かつ不謹慎な行為を行いましたこと、衷心より深くお詫び申し上げます」とし、関係者の処分、再発防止を図る考えを示した。

同社は掲載前の5日夕方、厚労省にFAXで調査結果を報告した。同省監視指導・麻薬対策課の佐藤大作監視指導室長・麻薬対策企画官は、本誌に「これで全て承知したとか納得したとかということではない。仮に調査結果(自分の治療のために処方せんに基づいて薬を入手したこと)が事実なら、麻向法の問題ではない。(飲まされた相手の被害によっては)むしろ刑法の問題ということになるのかもしれないが、これから警察が捜査するとかしないとかそういうことはコメントできない」と話した。

 

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