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アジア治験によるエビデンス 「臨床上有用」54%、「信頼性に疑問」33% 医師調査

公開日時 2011/09/06 04:00

医師限定コミュニティサイト「MedPeer」を運営するメドピアはこのほど、アジア共同治験で構築されたエビデンスを医師がどのように評価しているのかという調査結果をまとめた。54%の医師が欧米人のみのエビデンスよりは臨床上有用との考えを示す一方、33%の医師が「データの信頼性に疑問があり、参考にできない」と回答した。メドピア会員医師は現在3万7000人。

調査は6月22日~28日に実施した。有効回答数は2349件。同調査は会員医師がほかの会員医師に日常診療での素朴な疑問を聞く形式で実施するもの。今回は、日本、中国、韓国を対象に行われた臨床試験(各国からの被験者数は1/3ずつ)で得られたエビデンスは、日本人のみ対象の臨床試験と比較してどのように評価するかという質問で、5つの選択肢への回答とともに自由コメントを求めた。

その結果、「日本人のみの試験とほとんど変りなく、同等に評価できる」との回答医師は12%、「日本人のみの試験とは同列には扱えないが、欧米人のみのエビデンスより臨床上、非常に役に立つ」との回答医師は19%、「日本人のみの試験とは同列には扱えないが、欧米人のみのエビデンスより臨床上、参考になる」との回答医師は23%――となり、合計54%の医師が欧米人のみのエビデンスよりは臨床上有用との見方を示した。

これら回答医師の自由コメントをみると、同じ人種であるとの指摘が多くみられるものの、中韓の試験の質には賛否両論があった。

「同等に評価できる」との医師からは「アジア諸国の医療レベルは格段に向上しており、学会などで見る限りでは信頼性において劣っているとは言えない」(40代、脳神経外科)や「最近は国際誌でも日本より中国、韓国の論文が多いようだ」(50代、総合診療)といった内容が多くみられた。一方で、「非常に役に立つ」「参考になる」との医師からは、「アジア人種として同等性は評価できるので参考にできると考えるが、スタディの正確性などについてはやや疑問に残る部分もある」(40代、一般外科)や「信用できるかどうかをきちんと評価が必要なのは欧米のデータでもアジアデータでも同様」(40代、小児科)といった内容のほか、治験審査委員も務める70代の医師からは、「韓国や中国のデータはあまり信頼性が高いとは言えないが、人種的に近い分だけ日本人に応用しやすいのではないか思う」とのコメントを寄せた。

一方で、「日本人のみの試験ではないので、欧米人のみのエビデンスと同等評価程度である」との回答医師は13%。「中国・韓国における臨床試験結果はデータの信頼性に疑問があり、参考にできない」との回答医師は33%となり、5択の中では最も回答割合が高かった。この「参考にできない」との医師のコメントをみると、「データマネジメントが信用できない」(40代、血液内科、腫瘍内科等)や「欧米のデータだから信頼できるという意味でもないが、アジアにおける研究分野についてはモラル面でまだまだ発展途上の要素あり」(40代、一般内科、腎臓内科・透析)といった内容が見られた。

 

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