FDA ボトックスを片頭痛予防の適応で承認
公開日時 2010/10/20 06:03
米FDA(食品医薬品局)は、10月15日、米アラガンのボトックス注射剤(A型ボツリヌス毒素)を慢性片頭痛患者(成人)の頭痛の予防の適応で承認したと発表した。
同剤は、将来起こりうる頭痛緩和のために頭頸部の複数個所に12週ごとに注射をする。なお、同剤は月に1日に4時間以上頭痛が持続する状態を15日以上経験する患者が適応。米国では、片頭痛患者のうちでも320万人がこの症状に該当するという。
FDA医薬品評価研究センターのRussell Katz神経製品部長は、「片頭痛は家庭、職場、社会生活に重大な影響をもたらすので、有効な治療オプションが多様になることは重要」と今回の承認を評価した。
同剤は、眼瞼痙攣、痙性斜頸、片側顔面麻痺などを適応としたボトックスのラベルの警告欄同様、重篤な副作用として、嚥下障害、呼吸困難などボツリヌス菌中毒と同様症状が発現する可能性について記述している。
同剤は英国で、今年7月に片頭痛予防の適応で承認されている。
ボトックスは国内では、グラクソスミスクラインから眼瞼痙攣、痙性斜頸、片側顔面麻痺などの適応のほか、ボトックスビスタとして「65歳未満の成人における眉間の表情皺」(薬価未収載)の適応で販売されている。