NTTコミュニケーションズとTXP Medicalは10月23日、TXP Medicalの第三者割当増資の実施を含む資本業務提携を締結したと発表した。提携により、NTT Comの秘密計算技術やクラウドサービスと、TXP Medicalの医療データ標準化ノウハウや臨床データ、医学的知見を組み合わせ、セキュアで高付加価値なデータ分析サービスの提供を目指すとしている。NTT Comの出資金額は非開示としている。

◎製薬企業向けの医療データサービス共同開発へ　人材交流やノウハウ共有も

NTT Comはデータを秘匿化したまま分析を行い、結果のみを出力する秘密計算技術に強みを持ち、秘密計算のクラウドサービス「析秘」を提供している。TXP Medicalは急性期医療のプラットフォーム構築や、医療データの利活用などのサービスを手掛ける。今回の提携により、NTT Comのヘルスケア業界向け社会産業プラットフォーム「Smart Data Platform for Healthcare」および「析秘」を用いて、TXP Medicalの提携医療機関の臨床データに基づく分析結果を製薬企業などに提供する医療データサービスの共同開発を進める。また、両社間での人材交流やデータ利活用強化に向けたノウハウやスキルの共有なども行っていくという。

NTT Comの福田亜希子執行役員ビジネスソリューション本部スマートワールドビジネス部長は「今後も両社の強みを活かし医療データを利活用することで、新たな『社会産業プラットフォーム』を構築し、社会課題の解決に貢献していく」とコメント。TXP Medicalの園生智弘代表取締役は「強固な医療機関ネットワークと、NTT Comの高い技術力を組み合わせることで、革新的な新たな医療データサービスが創出できる。ミッションである、医療データで命を救う、を実現していく挑戦を進めていく」としている。

◎TXP Medical　シリーズCで総額24.6億円調達　生成AI用いた新規事業などへ投資

また、TXP Medicalは同日、総額約24.6億円を資金調達し、シリーズCラウンドをクローズしたと発表した。調達先はMPower Partners、NTT Com、メディカル・データ・ビジョン（MDV）を引受先とした第三者割当増資と、複数の金融機関からの融資としている。資金調達により、医療データプラットフォーム「NEXT Stage ER/ICU」や医療データ事業など既存事業の拡大や、生成AIを用いた大病院・救急隊向けサービスの開発及び展開など新規事業への投資を進めていくという。