国立がん研究センター 日本発の医療機器スタートアップの国際展開を支援 今年度は3社を選定
公開日時 2024/10/23 04:50
国立がん研究センターは10月22日、東病院に開設したNEXT医療機器開発センターを基点に海外企業を含むパートナーシップを構築し、日本発の医療機器スタートアップの国際展開を支援すると発表した。①国際展開のための人材育成プログラム、②グローバル開発における薬事戦略相談プログラム、③米国展開ハンズオン支援プログラム-の3種類を提供する。今年度はスタートアップ3社を選定し、具体的な支援活動を展開。医療機器のグローバル展開を実現するエコシステム拠点を構築する。
医療機器産業は高い成長が期待される分野であるにもかかわらず、グローバル市場に対する日本市場のシェアは1990年の22.1%から2018年の7.3%まで低下しており、国内市場はグローバル市場と比較して成長の伸びは低いと見込まれる。このためグローバル展開を進めるには医療機器開発のエコシステム形成に成功している米国の事例や市場を熟知する国内人材の育成が求められている。同時に、日本発スタートアップによる米国市場での成功事例を創り出すことが喫緊の課題となっている。
今回のプロジェクトでは、米国シリコンバレーに拠点を置くKicker Ventures社主催の「Kicker AccelFit」と連携し、米国を中心としたグローバル市場への展開に必要な基礎知識を習得するためのレクチャーと個別メンタリングセッションを提供する。同プログラムでは、実際に国際展開する上でクリアしなければならない法規制、流通の仕組み、法人の設立方法等、実践的な知識やスキルを習得できる。
また、薬事戦略相談プログラムとして、Mk DUO合同会社との連携により、米国及び各国の医療機器法規制に対応する薬事戦略の立案及び許認可の取得を支援する。さらに、米国市場への進出を計画するスタートアップを対象に、24年度は市場調査やパートナー探索、事業戦略構築等に関するハンズオンを実施。25年度以降、米国での事業基盤を整えるためのインキュベーション施設滞在を支援していく予定。