東京工業大との統合に伴い、東京医科歯科大学病院が10月１日から東京科学大学病院として始動した。2日には銘板の除幕式があり、藤井靖久病院長は、「医学と歯学に加え、理工学との融合により、これまでにない革新的な医療を開発・提供することで、患者様一人ひとりの健康と幸せに貢献していきたい」と抱負を述べた。統合に伴い、学内には理工系の研究者が臨床現場で研究に取り組む「医療工学研究所」も発足し、2024年度内にも病院内に研究拠点が整備される。

前身の東京医科歯科大学病院は21年10月に医学部と歯学部それぞれの付属病院が一体化して発足。10月１日に東京医科歯科大学と東京工業大学が統合され、東京科学大学になったことから、東京科学大学病院として新たなスタートを切った。すでに発足前から両大学のマッチングファンドによる共同研究も行われており、さらなる医工連携が期待される。

◎内田CMO　未来の医療を担う病院、医療工学研究所の拠点に期待

東京科学大学の内田信一CMO（最高医療責任者）は「今の医療だけでなく、未来の医療も担い続ける病院。医療工学研究所の拠点ができ、新たな病院としての使命も加わる中で、一丸となって頑張っていきたい」と意気込みを語った。初代病院長となった藤井氏は「東工大と医科歯科大の連携は今に始まったことではなく、ずっと前から行われてきた。もともと親和性のある両者の連携が、科学大の誕生でさらに加速していくことを期待している」と述べた。